前週の三井住友VISA太平洋マスターズでツアー通算20勝を飾った石川遼(33)=カシオ=が12日、2021年以来となる米ツアーへの再々挑戦を宣言した。14日開幕のダンロップフェニックス(宮崎・フェニックスCC)会場で取材に応じ、来季米下部…
前週の三井住友VISA太平洋マスターズでツアー通算20勝を飾った石川遼(33)=カシオ=が12日、2021年以来となる米ツアーへの再々挑戦を宣言した。14日開幕のダンロップフェニックス(宮崎・フェニックスCC)会場で取材に応じ、来季米下部ツアーの2次予選会(12月3~6日、カリフォルニア州など)にエントリーしたと明かした。2週連続優勝が懸かる今大会の予選ラウンドは松山英樹(32)=LEXUS=、16歳のアマチュア・松山茉生(まお、福井工大福井高1年)と同組になった。
石川が発する一語一語に、熱い思いがにじんだ。米ツアー2次予選会への挑戦を決断したのは、エントリー締め切りの10月頭。「いや、行くっしょ、みたいな感じだった」。今年から新たに加わった「10月2日時点で米ツアー50回以上予選通過」の資格で参戦。「資格があるなら、チャレンジしたいという思いでは常にいた。別にそれが最終予選会からじゃなくても」と説明した。
3度目の挑戦だ。2013年から米ツアーに本格参戦。17年に出場権を失い、18年に主戦場を日本に戻した。21年にも2次予選会に挑戦したが、35位で敗退した。以降、米ツアーへの熱い思いを失ったことはない。「もう33歳。来年でいいか、再来年でいいかっていうよりは、今の自分の居場所、現在地っていうのも知りたい。厳しい戦いだけど」
日本ツアーの今季最終戦の日本シリーズJTカップ(28日開幕、東京よみうりCC=報知新聞社主催)に出場後、すぐに海を渡る予定だ。5会場での2次予選会の結果次第で迎える最終予選会(12月12~15日、フロリダ州)で5位までに米ツアー、同40位までに下部ツアーの来季出場資格が付与される。「短期決戦で上位に入ることが求められる。どうなるかは分からないが、準備や気持ちの持っていき方もいい経験」と語った。
ダンロップフェニックスの予選は2人の松山と同組になった。米ツアー通算10勝で同学年の英樹とは6年ぶりのラウンド。今年の日本アマを最年少15歳で制した茉生とも初めて回る。「世界でも一番ゴルフがうまい松山さん2人だと思う。今の自分が2人のプレーを見て何を思うのか。本当に見たい2人。楽しみ以外の言葉がない」と気持ちを高ぶらせた。
今大会は昨年までの出場13度中、08年の2位が最高でトップ10は2回。「先週とは準備の仕方や求められるショットが全然違う。しっかりといいものをつなげていけるようにしたい」。賞金ランクは首位と約3000万円差の5位で、09年以来、2度目の賞金王も射程に入る。日本での残り3試合で弾みをつけ、米国へ飛び立つ。(高木 恵)
◆石川と米ツアー 2013~17年に本格参戦。12年3月のプエルトリコ・オープン(推薦出場)、13年10月のシュライナーズホスピタル・オープンの2位が最高成績。通算160試合に出場し、予選通過は86回。トップ10入りが12度などで獲得賞金は458万1216ドル(約7億円)。16―17年シーズン限りでツアー出場権を失い、17年10月以降は日本ツアーを主戦場に戻した。21年10月にも、翌年の米下部ツアー参戦をかけ2次予選会に挑戦したが最終予選会進出を逃した。