「東京六大学野球・優勝決定戦、早大4-0明大」(12日、神宮球場) 76年ぶりに行われた早明による優勝決定戦は早大が4-0で明大に快勝し、2季連続で史上最多を更新する48度目の優勝を飾った。来秋ドラフト候補のエース・伊藤樹投手(3年・仙台…

 「東京六大学野球・優勝決定戦、早大4-0明大」(12日、神宮球場)

 76年ぶりに行われた早明による優勝決定戦は早大が4-0で明大に快勝し、2季連続で史上最多を更新する48度目の優勝を飾った。来秋ドラフト候補のエース・伊藤樹投手(3年・仙台育英)が9回115球を投じ、3安打9奪三振で完封勝利。中村敢晴内野手(4年・筑陽学園)が二回に先制打を放った。20日に開幕する明治神宮大会に出場する。

 高めに投じられた伸びやかな直球に最終打者のバットが空を切った。その瞬間、伊藤樹は喜びをかみしめるようにガッツポーズ。マウンドに駆け寄ってきた捕手・印出と歓喜の抱擁を交わした。

 課題としていた立ち上がりから全開。「(今季の対戦で)2試合投げて直球と縦の変化球を狙ってくるそぶりが見えたので、カーブやカットボールを増やしました」。明大打線の狙いを冷静に分析し、的を絞らせず。楽天ドラフト1位の宗山も3打席無安打に封じた。

 大一番での完封勝利。「うれしい気持ちでいっぱいです」と話し始めた右腕だが、苦笑いで付け加えた。「何でこの投球が慶応戦でできないんだと、怒りも自分に向けながらですけど…」。

 優勝へ王手をかけて臨んだ9日の慶大戦。先発も7回5失点と苦しみ今年唯一の黒星を喫した。それでも「悔しさで落ち込みましたが、その日の夜には切り替えました」ときっぱり。最高の結果で雪辱を果たし「自信になる」とうなずいた。

 今年からエースナンバー「11」を託した小宮山悟監督(59)も「ふさわしい投手になった」と称賛。最終目標の日本一へ、プライドを見せる。