2024-25シーズンも約10試合を消化し、主力のケガこそあるものの各球団の仕上がりが目に見えてきた。また、選手個人レベルで…
2024-25シーズンも約10試合を消化し、主力のケガこそあるものの各球団の仕上がりが目に見えてきた。また、選手個人レベルではオフのトレーニングや調整による差も顕著で、特に一部の若手選手たちはNBAの荒波に揉まれ、ひと回り成長して帰ってきた印象を受ける。
さて、年明け2月にはオールスターゲームが控えているわけだが、NBAの祭典は新たな才能の台頭による入れ替わりがあるのが常だ。そこで選出されるのが成長著しい若手であるが、果たして今年は誰が初選出されることになるだろうか。
以下では、日本時間11月11日終了時点での有力候補として、それぞれのステータスをチェックしていきたい。
■異彩を放つ怪物
ビクター・ウェンバンヤマ(サンアントニオ・スパーズ)
キャリア:2年目
2023年のドラフト1位は、初年度の評価のとおり、異質な存在となっている。昨シーズンと比較すると若干数字は下向きだが、ここまでの平均スタッツは18.3得点、10.2リバウンド、2.4アシストのダブルダブル。また、直近のユタ・ジャズ戦では自己最多となる1試合6本の3ポイントを成功させたほか、フリースロー成功率も驚異の90パーセントオーバーを記録しており、220センチ超えのビッグマンとは思えないショットタッチを見せている。
チームを勝利に導くには至っていないものの、その存在感は2年目らしからぬものがある。狡猾なベテランポイントガードのクリス・ポールとの連携で派手なプレーを連発すれば、当選の確率はより高まるに違いない。
■成熟しつつある23歳
ケイド・カニングハム(デトロイト・ピストンズ)
キャリア:4年目
2021年のドラフト1位もキャリア4年目にして成熟してきた様子がうかがえる。これまでの平均スタッツは22.8得点、7.2リバウンド、8.2アシストはいずれもキャリアハイ。11月9日(同8日)のアトランタ・ホークス戦ではトリプルダブルの活躍で、3試合連続でアシストも10本超えとなり、背番号2のコートでの影響力もあって、チーム成績も昨シーズンより上向きだ。
カニングハムは持ち前のリーダーシップをそのままに、スコアラーとしての責任も担うようになり、選手としての引き出しが増えてきた。得点、アシストの双方でチームトップの成績を収めており、名実共にチームの顔として定着。2022年のライジングスターぶりのオールスターゲーム登場は順当かもしれない。
■ヨキッチと比較されるビッグマン
アルペレン・シェングン(ヒューストン・ロケッツ)
キャリア:4年目
若手は技巧派ビッグマンの台頭が著しく、ダークホースを選出するのであれば、ロケッツの背番号28かもしれない。ニコラ・ヨキッチとも比較されるトルコ人センターは、15.8得点、11.1リバウンドでキャリア初の平均ダブルダブルの出だし。11月5日(同4日)に開催されたニューヨーク・ニックス戦では、リーグトップクラスのセンターであるカール・アンソニー・タウンズとマッチアップし、得意のベイビーフックなどを駆使してフィールドゴール成功率73.3パーセントをキープしながら25得点を記録した。
球団の勝率は昨シーズンの5割から6割にまで向上しており、その中心にはエースのジェイレン・グリーンとこのシェングンがおり、後者の存在がスペーシングとチームの潤滑油になっていることは間違いない。テクニシャン気質なところも人気のひとつで、ドマンタス・サボニスのような位置付けで選出される可能性は十分だ。
文=Meiji