「ジャパンウイメンズオープン」(WTAインターナショナル/東京・有明テニスの森公園テニスコート/本戦9月11~17日/賞金総額25万ドル/ハードコート)は9月14日、シングルス2回戦残り5試合とダブルス準々決勝4試合が行われ、奈良くるみ(安…

「ジャパンウイメンズオープン」(WTAインターナショナル/東京・有明テニスの森公園テニスコート/本戦9月11~17日/賞金総額25万ドル/ハードコート)は9月14日、シングルス2回戦残り5試合とダブルス準々決勝4試合が行われ、奈良くるみ(安藤証券)はワン・チャン(中国)に2-6 3-6で敗れ、昨年に続く8強入りはならなかった。◇   ◇   ◇

 第6シードの大坂なおみ(日清食品)を破り、「やるべきことが明確に考えられている」と手応えを得て2回戦に臨んだ奈良だが、両サイドから高い打点で深いストロークをミスなく打ち込んでくる中国のワンを攻略できず、ストレートで敗れた。

 昨年、全豪オープン後の台湾でのツアー大会で、6-1 6-3と簡単に退けた相手だったが、「前回は(相手の)ミスが多く、打つコースも見えていたが、今回は精度がよくなっていたし、どこに打つかコースが分かりにくかった」とレベルアップした相手に、試合の主導権を握らせてもらえなかった。

 それでも、長いラリーに持ち込んでの組み立てや粘り強さ、ムーンボールを使いながらバックハンドのダウン・ザ・ラインへ決めにいく緩急を使ったパターンはさすがで、第2セットは1-1から先にワンのサービスをブレーク。3-2とリードを奪うなど見せ場を作った。

「今日は自分のプレーも悪くなかったが、相手のプレーがよくて、壁が厚かった。それをどう崩していくか、自分の中で課題が見えた試合だった」と試合後に奈良は語り、その課題について「もう少し前のスペースを使っていくこと」と明かした。

 確かに、ワンは奈良のムーンボールに対して、ベースライン後方に下がることなく、上がりっぱなを高い打点でとらえ、それをベースライン深くに打ち込み、奈良に思うようなプレーさせなかった。

 そうした苦しい展開の中で、奈良自身が手応えを感じたポイントとなったのが、相手をネット際へと走らせたドロップショット、さらには前に出てきたところで頭上を抜くトップスピンロブだったろう。

「左右のバランスのよい今日のような相手には、コートを広く、前後にも振っていかなければならないというのは頭の中に入れておく」

 大坂戦後、「私はなおみちゃんとはタイプ的には逆。常にベストを尽くしていかないといけないタイプ」と自己分析した155.5cmの小さなチャレンジャーは、敗戦もまた次のチャンスへとつなげる経験値とするはずだ。◇   ◇   ◇

 ダブルスでは、第1シードの二宮真琴(橋本総業ホールディングス)/レナタ・ボラコバ(チェコ)、第4シードの青山修子(近藤乳業)/ヤン・ザオシャン(中国)がベスト4入りを決めた。9月15日の準決勝では、その青山/ヤンと二宮/ボラコバが対戦する。

 第2シードの穂積絵莉(橋本総業ホールディングス)/加藤未唯(佐川印刷)は敗れ、準決勝進出はならなかった。(テニスマガジン/ ライター◎田辺由紀子)

※写真は「ジャパンウイメンズオープン」(東京・有明テニスの森)の2回戦でワン・チャンに敗れた奈良くるみ

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