【群馬】9月に中国で開かれた第3回アジアパラ空手道選手権大会の視覚障がい男子形の部門で優勝した今井俊浩選手(51)が8日、前橋市の小川晶市長を表敬訪問した。今井選手は「来年の大会で勝利をめざすとともに、障害があってもスポーツに携わりたいと…

 【群馬】9月に中国で開かれた第3回アジアパラ空手道選手権大会の視覚障がい男子形の部門で優勝した今井俊浩選手(51)が8日、前橋市の小川晶市長を表敬訪問した。今井選手は「来年の大会で勝利をめざすとともに、障害があってもスポーツに携わりたいと思う人の手助けもしていきたい」と述べた。

 同市出身の今井選手は、3歳の時に網膜色素変性症と診断された。現在は矯正視力0・1未満で、中心の視野狭窄(きょうさく)があり外出時など補助が必要な場面が多い。アジア選手権でコーチとしてともに戦った若林伸一さん(70)と小学3年の時に出会い、空手を始めた。

 高校卒業後は空手から離れていたが、31歳の時に若林さんからパラ空手の誘いを受け、練習を再開。42歳で全日本パラ空手道競技大会で優勝した。若林さんは「子どものころは目立たなかったが成長した。空手が強いだけでなく精神的に強い。世界で戦える選手」と語る。

 昨年、ハンガリーであった世界パラ空手道選手権大会に日本代表として出場し、優勝した。普段は市内の「道志館」で子どもたちに指導している。「自分は障害を持って生まれて運がないとも言えるが、空手と出会えて運が良かった。魅力をこれからも伝えていきたい」(杉浦達朗)