【ディープインパクトの血を持つ馬の中で本命は?】 11月10日(日)、京都競馬場で3歳以上牝馬によるGⅠエリザベス女王杯(芝2200m)が行なわれる。重賞初勝利を目指すサリエラ photo by Sankei Visual 今年は、昨年のホ…
【ディープインパクトの血を持つ馬の中で本命は?】
11月10日(日)、京都競馬場で3歳以上牝馬によるGⅠエリザベス女王杯(芝2200m)が行なわれる。
重賞初勝利を目指すサリエラ
photo by Sankei Visual
今年は、昨年のホープフルSを勝ったレガレイラ、2022年の秋華賞を勝ったスタニングローズというGⅠ馬2頭に加え、今夏のGⅢ新潟記念を勝ったシンリョクカ、昨年のGⅠオークス2着馬ハーパーなどの実績馬が出走予定。かなり混戦模様のレースとなっている。
血統的視点からこのレースを占っていこう。近年のエリザベス女王杯で目立つ傾向が、ディープインパクトの血を持つ馬の好成績だ。
2021年のアカイイト(父キズナ、父の父ディープインパクト)、2022年のジェラルディーナ(父モーリス、母の父ディープインパクト)、2023年ブレイディヴェーグ(父ロードカナロア、母の父ディープインパクト)と、3年連続でその血を2代目に持つ馬が勝利している。この血をもつ馬はもともとこのレースと相性がよく、直仔も2014年ラキシス、2015年マリアライトで2勝しているほか、2着3回、3着6回と計11回も馬券に絡んでいる。
今年もディープインパクトの血を持つ馬は複数、出走を予定している。そのなかで筆者が本命に推したいのがサリエラ(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。
本馬は今や数少なくなったディープインパクトの直仔。母サロミナはGⅠ独オークス(芝2200m)勝ち馬で、半兄にGⅠ朝日杯フューチュリティS(阪神・芝1600m)を勝ったサリオスがいる良血。全姉サラキアは本馬と同じ5歳時にエリザベス女王杯で2着に入った馬だ。
サリエラはこれまで10戦して3勝。重賞勝ちはないが、3歳時にGⅡローズS(中京・芝2000m)2着、4歳時の昨年にGⅡ目黒記念(東京・芝2500m)3着、そして5歳となった今年、GⅢダイヤモンドS(東京・芝3400m)2着と重賞での好走例は多数ある。昨年のこのレースにも出走していて、上がり3Fメンバー中最速の34秒2の末脚で勝ち馬から0秒3差の6着だった。前走のGⅡオールカマー(中山・芝2200m)で12着と敗れているが、全姉サラキアも前年の6着から5歳時にピークを迎えており、縁の深いレースで一変を期待したい。
【もう1頭は、6連敗中も差し切りに期待の1頭】
もう1頭はルージュリナージュ(牝5歳、美浦・宗像義忠厩舎)を推す。父スピルバーグはGⅠ天皇賞・秋の勝ち馬で、その父はディープインパクト。母の父ルーラーシップ産駒はこの「京都・芝2200m」を得意としており、42戦7勝、勝率16.7%という好成績を残している。さらに曽祖母の全姉に、このレースの勝ち馬トゥザヴィクトリーがいるという牝系でもある。
ルージュリナージュは7走前のユートピアS(3勝クラス、東京・芝1800m)を勝って以来6連敗で、着順も11着、8着、13着、5着、11着、5着と一度も馬券に絡んではいないが、3走前のGⅠヴィクトリアマイル(東京・芝1600m)では上がり3F最速33秒6の末脚で勝ち馬から0秒4差の5着に入っている。
近走は1600mや1800mのレースへの出走が多く、2200mは初となるが、スタートが苦手で後方追走になりがちなので、よりゆったりした流れになる可能性が高い2200mの距離は合うはずだ。折り合い面の不安もあり、道中落ち着いて回ってこられればという条件もつくが、脚を溜めて末脚が活きる展開になれば、差し切ってもおかしくないだろう。
以上、今年のエリザベス女王杯はディープインパクトの血を持つサリエラ、ルージュリナージュの2頭に期待する。