第49回エリザベス女王杯(10日/GI、京都芝2200m)には、3歳牝馬・レガレイラ、薔薇一族のスタニングローズ、上がり馬のホールネスなどが出走予定。

本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「レガレイラ」を取り上げる。

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■レガレイラ

【中間調整】昨年のホープフルSを完勝。今年前半は牡馬クラシックへ果敢に挑み、皐月賞が6着、日本ダービーが5着と勝ち負けには絡めなかったものの位置取りと展開に泣いたものだった。いずれのレースでも上がり最速の脚は出せており、牡牝問わず世代最強クラスの1頭と言っていい。前走・ローズSも牝馬限定のGII戦で取りこぼした格好だが、秋の始動戦ということを考慮し、C.ルメール騎手が慌てず騒がず脚を溜めることに徹したものと解釈できる。

その後は秋華賞へ進む可能性もあったが、脚質的に京都内回りは分が悪いということを考慮し中7週でエリザベス女王杯へ向かうことに。ノーザンファーム天栄での放牧を経て、10月18日に帰厩。20日の坂路14-14を皮切りに順調な調整が進んでいる。2週前のウッド併せ馬でさっそく5F66秒9を馬なりでマークし、緩んだ雰囲気は皆無。1週前追いは長めから時計を出す意欲的な内容で、渋った馬場を苦にせず目標の相手を楽にアオッた。

【最終追い切り】レース当週もウッドで併せ馬。オープン馬ウンブライルを追走し、序盤から速いラップを刻んでいく。直線に入ると先に仕掛けられた相手が抜け出しにかかるが、これに対し慌てずまったくの馬なりを保ってジワッと差を詰め、最後に測ったように併入に持ち込んだ。ストライドは雄大で、踏み込みもしっかりしていたのは好感。

【見解】常に稽古ではよく見せるタイプで、この中間も文句なしの動き。これまでは1週前に全体を速く、最終追いは終い重点で微調整というパターンだったが、今回は1週前より最終追いのほうがウッド5Fの全体時計が速い。これをどう捉えるかだが、終い一手のレースで取りこぼしてきた経緯があるだけに、序盤から流れに乗る意識の強化と考えれば頷けるところだ。外回りの京都競馬場芝2200m戦はこの馬の決め手が存分に発揮できる条件。2つ目のビッグタイトル奪取は目前だ。

総合評価「S」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう) 【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。