「広島紅白戦、白組1-1紅組」(7日、天福球場) 広島・林晃汰内野手(23)が7日、“新井流”の打撃で開眼の兆しを示した。紅白戦に出場し、今キャンプ初の長打となる右中間への適時二塁打。秋季練習から新井貴浩監督(47)に助言をもらい、自らの…

 「広島紅白戦、白組1-1紅組」(7日、天福球場)

 広島・林晃汰内野手(23)が7日、“新井流”の打撃で開眼の兆しを示した。紅白戦に出場し、今キャンプ初の長打となる右中間への適時二塁打。秋季練習から新井貴浩監督(47)に助言をもらい、自らの感覚とも対話を重ねて存在感を発揮。指揮官も「すごくいい感じでスイングができている」と絶賛した。つかみかけている感覚を完全習得し、来季の飛躍につなげる。

 甲高い打球音が響き、白球が右中間をきれいに破った。パワフルな長打こそ、林らしさ。「キャンプの実戦で初めての長打だったので、いい感じで打てた。今取り組んでいることが、形として出てくれている」と納得の表情を浮かべた。

 白組の「4番・左翼」で出場し、四回2死一塁で益田の2球目を力強く引っ張った。これで5日の侍ジャパンとの練習試合、6日の紅白戦と3試合連続安打。コンスタントに快音を響かせている背景には、新井監督からの助言があった。

 秋季練習期間から下半身の使い方、肩の動きについて指導を受けた。それも踏まえて取り組むのは、左半身を意識した打撃。スイングして右足が着地した位置から体や頭の位置を動かさないように心がけ、右肩が下がって始動していた従来の打ち方から、平行に回すようにした。

 その“新井流”のチェック項目と自身の感覚を照らし合わせ、確かな良化を実感。「変化球は泳ぎ気味で、真っすぐは変化球と同じぐらい(のイメージ)でいくズレがあったが、今はない。並進運動(体重移動)が少なくなってきているので来た球に対して(体が)回っている。今までにない感覚でもあるし、もっと伸ばしていきたい」と完全習得に意気込んだ。

 打撃開眼の兆しを新井監督も感じ取っている。「自信めいたものが、少しずつ芽生えてきているんじゃないかな。秋季練習から取り組んでいることが形として出ている。速くて強い球を簡単に引っ張れているし、すごくいい感じでスイングできている。今やっていることをしっかりやっていけば、おのずと長打は出てくる」と現状を高く評価した。

 林自身も「今までは『長打を打ちたい』となると、違う打ち方になったりしていた。今は、いい形でいいバランスで振れば大丈夫と思いながら(やっている)」と心の持ちようを明かした。

 今季は27試合の出場にとどまり、悔しさを味わった。入団以降、長距離砲として期待されてきた若鯉も、来季で7年目。出場機会増を求めて、現在は外野にも挑戦している。「打たないと出られないので」と林。飛躍の予感を大いに抱かせた和製大砲候補が、自らのストロングポイントをより強固なものにしていく。