今年のプロ野球の発展に最も貢献した監督、選手に贈られる「正力松太郎賞」の選考委員会が7日、都内で行われた。レギュラーシーズン3位からクライマックスシリーズ(CS)を勝ち上がり、日本シリーズを制してチームを26年ぶりの日本一に導いたDeNA…

 今年のプロ野球の発展に最も貢献した監督、選手に贈られる「正力松太郎賞」の選考委員会が7日、都内で行われた。レギュラーシーズン3位からクライマックスシリーズ(CS)を勝ち上がり、日本シリーズを制してチームを26年ぶりの日本一に導いたDeNA・三浦大輔監督(50)が選出された。また、特別賞には、メジャー史上初の「50本塁打-50盗塁」を達成したドジャース・大谷翔平選手(30)が選ばれた。

 吉報を受けた三浦監督は、球団を通じ「大変名誉な賞を受賞することができ光栄とともに感謝申し上げます。選手、コーチ、スタッフが一丸となり受賞できたと思っています」と喜びのコメントを寄せた。監督就任5年目となる来季に向け「進化の手を緩めることなく、来季はリーグ優勝、そして日本一を果たせるようチーム一丸となり戦って参ります」と意気込みをにじませた。

 3位からCSを突破し、日本シリーズで最強軍団といわれたソフトバンクをも制して日本一をつかんだ。選考委員会では、「ペナントレースを重視すべき」との議論も交わされ、圧倒的強さを誇ったソフトバンク・小久保監督や巨人・阿部監督も候補に挙がったという。

 そのうえで、選考委員会の座長を務めた王貞治氏(84)は「下克上を成し遂げた三浦監督の手腕は、十分評価に値する」と最終的に満場一致で決まったと説明。ソフトバンクの球団会長という立場でもあり「ベイスターズの日本シリーズでの強さは、実際に自分の目で見て肌で感じた。勝負の世界というのは勝たなきゃいけないのが鉄則」と話した。

 同委員のノンフィクション作家・門田隆将氏(66)は、日本一の原動力のひとつとなった救援陣に言及。守護神・森原や中川颯ら移籍組が集結した陣容を挙げ「再生工場を作り上げた三浦監督の手腕、全員野球を実現させるための手腕。これは正力松太郎賞にふさわしい」とたたえていた。

 ◆正力松太郎賞 日本プロ野球生みの親として知られる、正力松太郎氏の業績をたたえ、1977年に創設。プロ野球発展に大きく貢献した人物に贈られる。コミッショナーから委託された「正力松太郎賞選考委員会」によって審議、選出される。正力賞の表彰者には金メダルと賞金500万円、特別賞は金メダルと賞金300万円が贈られる。選考委員は王貞治氏(ソフトバンク会長)、山本浩二氏(元広島監督)、高田繁氏(元ヤクルト監督)、辻発彦氏(元西武監督)、門田隆将氏(ノンフィクション作家)。