全国交流レースの第57回楠賞が11月7日、園田競馬場のダート1400メートルに12頭(地元7、ホッカイドウ1、岩手1、船橋1、名古屋1、高知1)が出走して争われ、単勝3番人気だった岩手2冠馬フジユージーン(村上忍)が3頭の叩き合いをゴール…

 全国交流レースの第57回楠賞が11月7日、園田競馬場のダート1400メートルに12頭(地元7、ホッカイドウ1、岩手1、船橋1、名古屋1、高知1)が出走して争われ、単勝3番人気だった岩手2冠馬フジユージーン(村上忍)が3頭の叩き合いをゴール寸前で頭差抜け出して優勝。重賞7勝目を挙げ、1着賞金2000万円を獲得した。2着がホッカイドウのストリーム、3着が船橋のギガースと遠征馬が上位を独占した。

 岩手チャンピオンのフジユージーンが3歳頂上決戦を制した。出遅れた影響もあり後方からとなったが、向こう正面でエンジンがかかると瞬く間に先頭グループへ。直線ではストリーム、ギガースとの3頭の激しい追い比べを見事に制した。「これまで競り合った経験がなかったのに勝ってくれた。勝負根性があると感じました」と村上は相棒に改めて敬意を表した。

 岩手所属のサラブレッドが兵庫の重賞を勝つのは初めて。「岩手所属の馬で勝ててうれしい」。19年にゴールデンジョッキーカップで優勝するなど、園田での知名度もある鞍上にとっても格別な勝利となった。

 管理する瀬戸幸一調教師(64)も2001年の開業以来、区切りとなる通算900勝目。「フジユージーンが強いと証明できたし、まだ3歳。これからの希望も持てた」と満面の笑み。次走は笠松グランプリ(12月12日、笠松)を視野に入れている。(蔵田 成樹)