▽決勝(カクヒログループアスレチックスタジアム) 青森山田3-1八戸学院野辺地西 4日に行われた全国高校サッカー選手権の青森県大会決勝で青森山田が3―1で八戸学院野辺地西に逆転勝利し、28年連続30度目の全国切符を手にした。県内の連勝を41…

▽決勝(カクヒログループアスレチックスタジアム) 青森山田3-1八戸学院野辺地西

 4日に行われた全国高校サッカー選手権の青森県大会決勝で青森山田が3―1で八戸学院野辺地西に逆転勝利し、28年連続30度目の全国切符を手にした。県内の連勝を410に伸ばしたチームは“雑草魂”をテーマに1年戦ってきた。全国で連覇を目指すチームの強さを、サッカー担当の山崎賢人記者が「見た」―。

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 昨年度に高円宮杯U―18プレミアリーグと全国高校選手権の2冠を達成した青森山田に王者のおごりはない。今年のチームは昨年に比べ圧倒的な個の能力や身体のサイズはなく、チーム一丸となった“雑草魂”を武器に戦ってきた。

 決勝では前半から相手に押し込まれる苦しい立ち上がり。相手の思うがままの展開で、前半19分に先制された。普通の高校生なら大舞台で自分たちのサッカーができず動揺するところ。だが、ここから精神的屈強さを発揮した。目を覚ましたかのように主導権を握り、攻勢に転じると同38分に同点。後半は開始早々にPKで勝ち越し、その後はしたたかな試合運びを見せた。

 やられても立ち上がるメンタル面を見せつけた勝利に「先輩たちがつくり上げてきたものの思いや覚悟を持って、青森まで来ている子が多いからね」と正木昌宣監督。「簡単に負けられない思いが呼び起こされた」と焦らずに選手を信じて、戦い抜いた。

 28年連続と410連勝という記録は嫌でも重圧がかかる。だが、DF小沼蒼珠(そうじゅ)主将(3年)は「数々の先輩も同じ高校3年生で乗り越えてきたし、自分もできないことはない」と客観的に考えて試合に臨んだ。あとは選手権2連覇のプレッシャーを乗り越えるのみ。「観客が埋まるあの感覚は忘れられない。もう一回その舞台に立てるのは本当にうれしいし、楽しみ」と前向きに考え、高校3年間で培った全てを全力で発揮する。