「広島紅白戦、白組2-1紅組」(6日、天福球場) 広島・中村貴浩外野手(24)が6日、新打法に手応えをつかんだ。今キャンプ初の紅白戦が行われ、白組の「5番・中堅」で両チーム唯一となる適時打を放ち、存在感を発揮。シーズン終盤から無駄を省いた…
「広島紅白戦、白組2-1紅組」(6日、天福球場)
広島・中村貴浩外野手(24)が6日、新打法に手応えをつかんだ。今キャンプ初の紅白戦が行われ、白組の「5番・中堅」で両チーム唯一となる適時打を放ち、存在感を発揮。シーズン終盤から無駄を省いたシンプルなフォームに取り組んでおり、一定の成果を見せた。来季は大卒3年目。外野のレギュラー奪取を目指していく。
力強く捉えた一打に良化の兆しを感じ取った。つかみかけている感覚を決して逃したくない。そんな強い覚悟が言葉の端々からにじんでいた。キャンプ初の紅白戦を終えた中村貴は「シーズンの最後くらいから、いい感覚。『この感覚かな』というのはある」と自身の打撃の現状を分析した。
見せ場は六回2死二塁の好機で訪れた。カープアカデミーの練習生・オルティスの初球ストレートを中前に運んだ。快音の裏にあったのは、シーズン終盤から取り組む新フォームにある。
これまではバットのヘッドを寝かせて構えていた。それを投手側に傾けて、テイクバックを取った位置からスイングする形に変更した。「ヘッドが後ろ(捕手側)に入るのが癖」だと明かし、その打ち方だと打ちにいくまでの時間にロスが生じるという。「無駄があると(バッテリー間の)18・44メートルの中で勝負できない。無駄は減らしたい」とシンプルなフォームを追求している。
課題克服に向けたアプローチは、新井監督からの助言ともリンクした。この日、午前中の打撃練習で指揮官から指導を受け「監督からは『ヘッドを前に出したら落とすだけ』だと。僕が修正したいことと、監督からの助言は一緒。監督が言ってくれていることを、つかめるようにやっていく」とバットを振り込んで体に染みこませていく。
新井監督も「元々パンチ力はある打者で、ヘッドの走り方が徐々に良くなってきた。本人も充実しているんじゃないですか」と、確かな成長を感じ取った。
今季は1軍で11試合の出場にとどまり、安打はわずか5本と悔しさを味わった。持ち味の打撃を生かすべく、無駄をそぎ落としたスイングで来季は勝負する構え。長打力アップの効果も実感しており「シーズン初めよりは確実に、力感なく飛距離も伸びている。(監督から)方向性は間違えてないから継続してやっていこうと言われています」と進むべき道を明確にした。
中堅の守備では初回1死で二俣の飛球をダイビングキャッチ。適時打を放った六回は次打者の初球で二盗を決めるなど、走攻守で躍動した。「大卒3年目の来年、何かつかまないと厳しい立場になると思う。来年が勝負だと思ってやっていきたい」と中村貴。レギュラーの座を目指し、妥協することなく貪欲に突き進む。