大相撲九州場所(10日初日、福岡国際センター)に向けた時津風一門連合稽古が5日、福岡・志免町の時津風部屋で行われた。先場所12勝で大関復帰を目指す関脇・霧島(28)=音羽山=は、出稽古に訪れた大関・豊昇龍(25)=立浪=ら参加16人で関取…

 大相撲九州場所(10日初日、福岡国際センター)に向けた時津風一門連合稽古が5日、福岡・志免町の時津風部屋で行われた。先場所12勝で大関復帰を目指す関脇・霧島(28)=音羽山=は、出稽古に訪れた大関・豊昇龍(25)=立浪=ら参加16人で関取衆最多となる計25番の相撲で15勝。「ギリギリ勝ち越したね。もっと番数を取らないといけない」と満足せず調整のギアを上げていく。

 自身の調子を確かめるように豊昇龍とは最後に7番連続の相撲。最初の一番で上手出し投げを食らうと闘志に火がついた。続いて力強い押しに耐えながら下手投げで雪辱するなど3連勝した。その後3連敗もしたが、首の痛みへの不安が軽減してきた様子。昨年九州場所を制した当時のキレが戻ってきた。

 一年納めの本場所への思いは強い。今年初場所で綱取りに挑戦して失敗すると、春場所前に首付近を痛めて2場所連続の負け越し。わずか6場所で大関から陥落した。名古屋場所では特例により10勝すれば1場所で復帰できたが、8勝止まりだった。そこで腐らず秋は12勝。今場所13勝すれば、大関昇進目安とされる三役で直近3場所の合計33勝に数字上は再び届く。

 1場所で復帰できなかった後に、大関に戻るとなれば21年夏場所の照ノ富士以来だ。「頭の中に(再昇進)はあるけれど、そればかり考えると体が駄目になる。目の前の一番に集中し、千秋楽が終わった時にどれだけ勝てているか」と自然体を強調した。歓喜を味わった九州で完全復活する。(山田 豊)