阪神の粟井一夫球団社長(60)が5日、甲子園で取材に応じ、今季新たに国内FA権を取得した原口文仁内野手(32)、糸原健斗内野手(31)、大山悠輔内野手(29)、坂本誠志郎捕手(30)を全力で引き留める考えを示した。この日から権利行使ができ…

 阪神の粟井一夫球団社長(60)が5日、甲子園で取材に応じ、今季新たに国内FA権を取得した原口文仁内野手(32)、糸原健斗内野手(31)、大山悠輔内野手(29)、坂本誠志郎捕手(30)を全力で引き留める考えを示した。この日から権利行使ができる手続き期間が始まり「下交渉は長い時間やっている。うちとしては全力で残ってもらいたい」と力を込めた。

 藤川監督が4日に「彼らが選択する権利」と語ったように、粟井社長も「選手それぞれに思いがある。制度としての権利から尊重しないといけない」と理解は示す。それでも「全員が最後までベンチにいた。戦力として期待している」と熱い口調で語った。

 中でも大山の動向は他球団も注視している。今季は130試合出場で打率・259、14本塁打、68打点。勝負強い打撃で打線をけん引した。今季の推定年俸は2億8000万円。権利行使を表明すれば、複数球団による争奪戦に発展する可能性もあるが、粟井社長はマネーゲームも辞さない考えだ。「ある程度は(条件を)頑張らないと、ファンの人も見ている。いけるところまでいきますよ」。虎党のためにも、誠心誠意を尽くして流出を阻止する。

 今後の補強に関しては「FA、外国人はセットで考えている。補強ポイントの人が出てくれば考える」と説明。万が一、大山流出となれば一大事になる。粟井社長は「(補強の)緊急度が高まるのは事実やけど、やっぱり残ってほしい」と残留を切に願った。

 ◆手続き期間は13日まで FA有資格者として公示されている111選手は13日までに在籍球団に意思を通知すれば、14日にコミッショナーからFA宣言選手として公示され、15日から他球団とも契約交渉が可能となる。