「阪神秋季キャンプ」(4日、安芸) 22年にドラフト1位で阪神に入団した森木大智投手(21)は壁にぶつかりながら、奮闘を続けている。3年目の今季はウエスタンで21試合に登板し0勝0敗、防御率11・32。1軍での登板はなく、悔しいシーズンを…

 「阪神秋季キャンプ」(4日、安芸)

 22年にドラフト1位で阪神に入団した森木大智投手(21)は壁にぶつかりながら、奮闘を続けている。3年目の今季はウエスタンで21試合に登板し0勝0敗、防御率11・32。1軍での登板はなく、悔しいシーズンを過ごした。秋季キャンプ中の現在は20人いる投手陣の中、ただ1人ブルペンに入らず「フォーム固め」を徹底している。来季は育成契約となる見込みの右腕。自身の課題と向き合う姿に迫った。

 秋季キャンプ4日目。室内で黙々とネットスローをしていたのは森木だった。「左足の着地の時にトップ(右腕のリリースポイント)が上がってきてない」。唯一ブルペンに入らず、投手コーチらが考えたメニューに取り組んでいた。

 これまで常に隣り合わせだった課題だ。左足を踏み込む際に右手が頭の高さまで上がっていることが理想だが、現時点では着地の際に肩付近にまだ腕が残っている。タイミングのずれによってリリースポイントが乱れ、制球が不安定に。シーズン中も見えていた課題を今キャンプで徹底して修正することを決意した。

 まずは一からフォームを見直す。9月中旬ごろから「リズムを覚えるために数をいっぱい投げるより、ネットスローでいっぱい投げて」と、動作に集中して体に染み込ませる練習方法を始めた。フェニックス・リーグ中も実戦で試すため登板。ただ「できたり、できなかったり」と波があったため、練習に打ち込めるキャンプ期間に落とし込む意気込みだ。

 安藤投手コーチは「ピッチングを今のレベルでやるよりも、しっかりフォーム固めから取り組んだ方が早い」と“急がば回れ”だと話す。「ステップアップはしてる」とし、「今までやってきた癖が体に染みついてるからいったんリセットして」と、時間をかけて修正していく考えだ。

 今季はウエスタンで21試合に登板し0勝0敗、防御率11・32と苦しんだ。新人だった22年は1軍で2試合に先発したがその後、登板機会は訪れていない。来季は育成での契約の見通し。「来年の2、3月にものにできるように。その第一歩」。地道に、着実に。ドラ1魂でここから必ずはい上がっていく。

 ◆森木 大智(もりき・だいち)2003年4月17日生まれ、21歳。高知県出身。184センチ、93キロ。右投げ右打ち。高知高では1年春の四国大会からベンチ入り。3年夏は県大会決勝で明徳義塾に敗れ、高校3年間での甲子園出場はかなわず。21年度ドラフト1位で阪神入団。22年8月28日・中日戦(バンテリン)でプロ初登板初先発し6回4安打3失点も、黒星を喫した。