大相撲九州場所(10日初日・福岡国際センター)に向けた二所ノ関一門の連合稽古が4日、福岡市内の佐渡ケ嶽部屋の宿舎で行われた。新大関・大の里(24)=二所ノ関=は、琴桜(26)=佐渡ケ嶽=と大関同士の三番稽古を行い、計20番取って11勝9敗…
大相撲九州場所(10日初日・福岡国際センター)に向けた二所ノ関一門の連合稽古が4日、福岡市内の佐渡ケ嶽部屋の宿舎で行われた。新大関・大の里(24)=二所ノ関=は、琴桜(26)=佐渡ケ嶽=と大関同士の三番稽古を行い、計20番取って11勝9敗。年間最多勝を争う琴桜と互角の内容でぶつかり合い、場所直前では異例となる先輩大関との稽古で手応えを深めた。
2大関が土俵に上がると、約20人の関取衆でひしめく稽古場がどよめいた。場所直前では異例の大関同士が同じ相手と繰り返し相撲を取る三番稽古だ。取組が始まると再び稽古場は静まりかえり、2人だけの時間が始まった。結果は計20番相撲を取って大の里の11勝9敗。新大関が右差しから押し出せば、琴桜は相手の強力な圧力を真っ向から受け止め、看板力士にふさわしい激しい攻防が繰り広げられた。10月の秋巡業で体調を崩した影響を感じさせない動きを見せた大の里は「不安要素しかなかった。その中で番数をこなせたし、いい部分も悪い部分も出た」と、一定の手応えを口にした。
大の里が琴桜と稽古総見を除いて場所前に胸を合わせるのは、5月の夏場所、7月の名古屋に続き3回目。夏場所前は過去2戦全敗だったことで、師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)に出稽古を直訴。6勝2敗と自信を深め、本場所での初勝利につなげていた。そして今回は新大関となっての手合わせ。「琴桜関のところに出稽古するというのは恒例でもある。毎場所大関とやれている。しっかり自分のものにしたい」と、先輩大関との稽古をきっかけに24歳のホープはさらに成長を続ける。
年間最多勝争いでは現在56勝でトップを走るが、4差の2位で追いかけるのが琴桜だ。新入幕の年に年間最多勝を獲得すれば、60年の大鵬以来、2人目。11勝以上を挙げれば66勝だった“昭和の大横綱超え”という大記録を視界に捉えており、最大のライバルに前哨戦で勝ち越せたことは大きい。
稽古では右差しからの左巻き替えなど、新しい引き出しも見せた。「もう一回しっかり見つめ直して、また初日に間に合うように頑張りたい」と新大関に慢心はない。(大西 健太)