◆第49回エリザベス女王杯・G1(11月10日、京都競馬場・芝2200メートル) 昨年はローズSから異例の臨戦でブレイディヴェーグがG1タイトルを手にしたが、エリザベス女王杯の王道ローテーションは府中牝馬Sだ。過去10年間で4勝、2着6回、…

◆第49回エリザベス女王杯・G1(11月10日、京都競馬場・芝2200メートル)

 昨年はローズSから異例の臨戦でブレイディヴェーグがG1タイトルを手にしたが、エリザベス女王杯の王道ローテーションは府中牝馬Sだ。過去10年間で4勝、2着6回、3着2回。一頭も馬券に絡まなかったのは15、22年だけと、前哨戦としての信頼度は高い。

 今年の府中牝馬Sは、くしくもブレイディヴェーグが前年エリザベス女王杯以来の復帰戦で鮮やかな差し切り勝ち。今年も出走していればこんな大混戦にはなっていなかっただろう。ただ、過去10年を振り返ると、21年のアカイイトは7着からガラリ一変。19年のラッキーライラックは3着から、18年のリスグラシューは2着から当レースを制しており、前哨戦Vは必ずしも絶対条件ではない。

 今年は大挙7頭が出走してくるが、前述した過去10年で3着以内だった12頭はすべて府中牝馬S7着以内。ここをボーダーラインとするなら該当馬は2頭。さらに「プロローグ編」で書いた勢いを重視するなら注目はシンティレーションだ。

 その前走はオープン入り直後のG2挑戦だったが、直線はブレイディヴェーグと同じ上がり最速タイ32秒8の強烈な決め手を発揮。G1馬にひけを取らなかった末脚を再現できれば、一気に頂点まで上り詰めるかもしれない。(西山 智昭)