ボクシングの4団体統一世界スーパーバンタム級王者、井上尚弥(31)=大橋=が4日、サウジアラビアの首都リヤドで、政府直轄の同国最大のエンターテインメントイベント「リヤド・シーズン」とのスポンサー契約を締結し、同イベントのアンバサダーに就任…

 ボクシングの4団体統一世界スーパーバンタム級王者、井上尚弥(31)=大橋=が4日、サウジアラビアの首都リヤドで、政府直轄の同国最大のエンターテインメントイベント「リヤド・シーズン」とのスポンサー契約を締結し、同イベントのアンバサダーに就任した。12月24日の防衛戦(有明アリーナ)からトランクスにロゴを入れる。金額は約30億円(推定)と、まさにモンスター級。イベント側の代表者、サウジアラビア総合娯楽庁(GEA)のトゥルキ・アル・シェイク長官は、尚弥が来年、同国で試合を行うことを熱望し、尚弥もタイミングが合えば同国で戦うとした。

 尚弥、大橋ジムの大橋秀行会長らは2日深夜(日本時間3日)に、プライベートジェットでリヤドのキング・ハーリド国際空港に到着。皇太子のいとこの自宅に招待されて食事をもてなされるなど、最上級の歓迎を受けた。

 4日午前2時30分(日本時間同8時30分)に、GEAのトゥルキ長官のオフィスで契約を締結。尚弥はリヤド・シーズンを「限られた選手しかたどり着かない場所」「誰しもが行けるステージではない」と述べた。

 トゥルキ氏は10月下旬に来日して尚弥らと協議していたことを明かし、尚弥を「オールタイムでベスト」と高く評価。「2025年に井上選手に関するビッグプロジェクトを考えている。とてつもなく大きなサプライズで、これまであったものとは全く別物になる。必ず皆さんに喜んでいただけるような大きなものだ」と秘策の存在を示唆。尚弥に期待することとして「来年、サウジアラビアでビッグファイトをすることだ」と次期シーズンでの試合を願った。

 ボクシングでは、世界ヘビー級で4団体を統一したオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)や、元3団体統一世界ヘビー級王者のアンソニー・ジョシュア(英国)ら世界的なスーパースターが、リヤド・シーズンで試合を行っている。

 昨年10月に行われたWBC世界ヘビー級王者(当時)のタイソン・フューリー(英国)-元UFC世界同級王者フランシス・ガヌー(カメルーン)戦では、両雄のファイトマネーが計100億円超とも報じられた。尚弥が戦えば、10億円以上とされた5月のルイス・ネリ(メキシコ)戦を上回るファイトマネーとなることは間違いなさそうだ。

 尚弥は「キャリアの佳境に差しかかってくるタイミングで、このような契約が結べたことは新たなモチベーションにもなると思っているので、非常に楽しみな契約だと捉えている」と意義を語った。そして「ボクシングに対する考え方もまた少し変わってくると思うので、そういった意味でも、日本や海外のリングでまた違った自分を見せていきたい」と意欲十分に語った。

 同国での試合についても「キャリアにとっても非常に楽しみなものになってくる。タイミングが合えば、ぜひサウジアラビアに来て試合をしたいし、その期待に応えるだけだと思っている。日本の皆さんの前で披露しているパフォーマンスを、サウジアラビアの皆さんにもお見せするだけだと思っている」と意気込んでいる。次期シーズンの実現が期待される。