<日本シリーズ:DeNA11-2ソフトバンク>◇第6戦◇3日◇横浜涙の番長が横浜の夜空に5度舞った。DeNA三浦大輔監督(50)が98年以来26年ぶりの日本一の喜びをかみしめた。3勝2敗で迎えた日本シリーズ第6戦で、ソフトバンクに勝利。リー…

<日本シリーズ:DeNA11-2ソフトバンク>◇第6戦◇3日◇横浜

涙の番長が横浜の夜空に5度舞った。

DeNA三浦大輔監督(50)が98年以来26年ぶりの日本一の喜びをかみしめた。3勝2敗で迎えた日本シリーズ第6戦で、ソフトバンクに勝利。リーグ戦3位から幕を開けたCSファーストステージからの下克上物語を完結させた。11年にDeNAが参入してからは初優勝。就任4年目で初の「横浜優勝」を成し遂げた指揮官が、日刊スポーツに手記を寄せた。

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やっぱりみんなで歓喜のビールかけは最高やね! プロに入って1度はビールかけをしたいと思っていて、98年にこんなにいいものなんだと知った。もう1度やりたいって欲が出た。あれから26年もたってしまったけど…08年、FA宣言して子供のころからファンで地元にも近い阪神に移籍するか、人生で一番悩んだ。悩んで悩んで、俺は野球を始めた頃から強いところを倒して優勝したいと思って横浜に残った。その後、選手として優勝できなかったけど監督としてようやくあの時の思いがかなった。

98年の日本シリーズの投球は思い出したくないね(笑い)。背番号18に変わった24歳の年だった。雨でスライド登板した第3戦、やってやろうって気持ちが空回りした。ストライクが入らず、3回6四球で負けた。まさに我を忘れた。コントロールで抑えていた投手だったのに、力んで…。

あの日は悔しくて悔しくてイライラして、ホテルに帰ってから1歩も部屋から出ず、テレビもスポーツニュースが始まったらすぐ消したかな。あの映像はもう1度、日本一になるまで見られないなって言ってたら、結局現役のうちは1度も見られなかった。

入団時から投手コーチとしてお世話になった恩師の小谷さん(現コーチングアドバイザー)にもよく言っていただいたけど「己を知れ」と。それは監督になっても同じ。俺の力なんてたいしたことない、ちっぽけなものだよ。だからコーチ、スタッフからいろんな案を出してもらってるし、助けられてる。決断して責任を持つのは俺だけど「周りの方に恵まれてる」というのが俺の監督としての強みかな。

選手たちにも恵まれてる。日本シリーズ2連敗から始まった。どこかで集めてミーティングをした方がいいかなと思ったけど、キャプテンの牧が選手を集めたい、という話を聞いた。任せようと思ったし、自発的に選手たちでやるのが一番大きい。7年前を知る山崎、桑原、柴田に話をしてもらったと聞いて、いいミーティングをしてくれたんだなと。誰か1人が引っ張っていくワンマンチームではなくて、みんなが自分に出来ることを全力で出し切る。そんな一体感が出てきた。勝った後、ロッカールームでのはしゃぎっぷりとか、めちゃくちゃ良い雰囲気だなと、俺はこのチームの雰囲気が大好きだ!

来季の続投の話はCSファイナルの最終戦の後だった。南場オーナーから「来季もお願いできませんか」と言っていただいて「ありがとうございます。全力でやらせていただきます」と。ただ、日本シリーズ優勝はうれしいけど、リーグ優勝という目標は達成できなかった。来年こそはとギュッと引き締まる気持ちだった。期待も高まってプレッシャーも当然ある。しんどい時もあるけど、みんなに助けられてやれてるようなもの。周りのみんなに感謝の気持ちでいっぱいです。

「日本シリーズ優勝」はできた。次はやっぱり「完全優勝」。リーグ優勝して、CS勝ち上がって、日本一というのが俺たちの目指している最高の場所。選手、コーチ、スタッフ、そしてファンの方々と一緒に、その喜びを分かち合いたい。みなさん、1年間一緒に戦ってくれてありがとう! 

ヨ・ロ・シ・ク!! (DeNA監督)