小久保監督も連勝スタート後はチームをなかなか前に進めることはできなかった(C)産経新聞社 レギュラーシーズン1位で駆け抜けたソフトバンクの頂上決戦は残酷な結末となった。 11月3日に行われた「SMBC日本シリーズ2024」第6戦(横浜スタジ…
小久保監督も連勝スタート後はチームをなかなか前に進めることはできなかった(C)産経新聞社
レギュラーシーズン1位で駆け抜けたソフトバンクの頂上決戦は残酷な結末となった。
11月3日に行われた「SMBC日本シリーズ2024」第6戦(横浜スタジアム)にソフトバンクはDeNAに2-11と大敗。
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本拠地で3連敗、移動日、雨天中止をはさんで中2日のゲームがどのようにチームに作用するか注目された。
先発は有原航平、シリーズ1戦目で好投しており、巻き返しが期待されたが、シーズン最多勝の有原をして、DeNA打線の勢いを止められなかった。
2回に筒香嘉智に先制ソロを許すと、押し出しも含む、3回6安打4失点KO。ソフトバンクは4回から継投に入ったが、後を継いだ尾形崇斗、スチュワートJr.岩井俊介も勢いを止められず、5回に7失点とビックイニングを作られてしまう。
最終戦がまさかのワンサイドゲームとなり、終戦後はナインも呆然とした表情を浮かべるしかなかった。
レギュラーシーズンをぶっちぎりの1位で勝ちきり、CSファイナルSでも圧倒的な強さを示したソフトバンクに何があったのか。
一つには短期決戦特有の勢いを持たせるさい配で両指揮官の明暗が分かれた。勝負の第6戦、三浦大輔監督は先発の大貫晋一を4回2失点でスイッチ、続く左腕、浜口遥大も1イニングで交代、5回、浜口の打順で代打、佐野恵太を投入。得点に結びつけた。
一方のソフトバンクは5回から3番手としてスチュワートJr.を投入したが、制球が定まらず。一死二塁とし、左打者、佐野の代打の場面を迎えても続投を選択。右翼線へ安打を許し、一死満塁の場面を迎える。
ここで桑原将志に対し、押し出し四球で1点を与え、さらに同じく一死満塁の場面で梶原昂希にセンターへの適時打を許し、6点目を失ったところで、ベンチは交代を選択。
勢いを止めるべく、4番手として登場したのはドラフト2位ルーキーの岩井だった。緊張感ある場面での登板となったが、二死満塁から相手主砲、タイラー・オースティンに押し出しの死球で7点目を失い、さらに二死満塁からこの日、ホームランを放っていた筒香に走者一掃となる駄目押しの適時二塁打を浴びた。その後、宮崎敏郎にも適時打を許すなど、ソフトバンクはこの回、7失点。
結果的に2点差まで迫りながら、この回が勝敗を大きく分けたイニングとなったことで、ベンチの救援陣の選択に疑問の声もあがっている。4連敗中は救援陣が20失点と傷を拡げたこともあり、来季に向けての課題にもあがりそうだ。
また打線においては、2連勝スタートとなった勢いが3戦目からぱったり止まってしまったことも響いた。29イニング連続無得点もクローズアップされるなど、山川穂高、近藤健介、柳田悠岐と12球団トップクラスと見られていた打線の破壊力が機能しなかったことも響いた。
最後は短期決戦で大事となる「シリーズ男」もソフトバンクには現れなかった。DeNAではハマのガッツマンこと、リードオフマンの桑原が攻守にわたって存在感を示した。
シリーズ打率「.444」、1本塁打、9打点の活躍で日本一に大きく貢献。桑原は中堅守備でもたびたび好守を連発。試合前での声出し含め、様々な側面でチームを前に進めた。
一方のソフトバンクでは、勢いに飲まれたかのように連敗を続ける中、ベンチでも固い表情のナインが目立った。率先して声出しするような、お祭り男が短期決戦には不可欠とあって、この点でも後手となった。
ソフトバンクにとっても4季ぶりのレギュラーシーズン優勝を達成しながら、今後に向けての課題も多く浮上した日本シリーズの戦い。小久保監督は責任を一身に受け止めた。日本一への「宿題」は来季果たしにいく。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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