11月2日、国立競技場で行われた名古屋グランパス対アルビレックス新潟のルヴァンカップ決勝は、試合前から両軍サポーターの熱気に包まれ、選手入場時の“コレオ合戦”が話題となった。 両チームとも、この試合に賭ける思いは強かった。名古屋は今季限り…
11月2日、国立競技場で行われた名古屋グランパス対アルビレックス新潟のルヴァンカップ決勝は、試合前から両軍サポーターの熱気に包まれ、選手入場時の“コレオ合戦”が話題となった。
両チームとも、この試合に賭ける思いは強かった。名古屋は今季限りでの退団が決まっている在籍7年の守護神GKランゲラックを最高の形で送り出すため。新潟はクラブ初の決勝進出からクラブ初タイトルを獲得するため。スタンドにはカップ戦史上最多となる6万2517人の観衆で埋め尽くされ、サポーターたちの熱の入りようも普段以上のものがあった。
そして試合前から両軍サポーターによる応援合戦が繰り広げられると、選手入場時には国立競技場のゴール裏3階席まで埋め尽くした両軍サポーターが巨大なコレオグラフィで演出。名古屋は赤と黄色、新潟はオレンジと青での芸術的かつ圧巻の光景を作り出した。
このコレオ演出の中での選手たちの入場シーンをJリーグ公式エックス(旧ツイッター)が映像で紹介すると、次のようなコメントが寄せられた。
「すごすぎるー」
「かっこいい。涙出てくる。」
「これ観てるだけで涙出るわ」
「世界よ、これが、日本のカップ戦だ!!」
「これは、まさに川を挟んで対峙する…織田信長と上杉謙信 現代版手取川の戦いですなぁ」
■手取川の戦いから447年後のPK戦の末
SNS上で話題に上がった「手取川の戦い」とは、戦国時代の1577年11月3日に今の名古屋を含めた尾張・織田信長軍と、越後・上杉謙信軍が、加賀国(今の石川県南部)の手取川で激突した合戦。越後全体に影響を及ぼしていた上杉軍が、織田軍より少ない兵数で勝利していた。
その手取川の戦いから447年後、名古屋サポーターは東海道新幹線、新潟サポーターは上越新幹線を利用してともに2時間余りの道のりを経て、国立競技場で激突した。結果は延長戦まで戦って3−3、そしてPK戦の末に名古屋が勝利して、3年ぶり2度目のルヴァンカップ優勝を果たした。最後は明暗分かれたが、両軍サポーターは最後まで大声援を送り続けていた。