相撲の全国学生選手権第1日は2日に東京・両国国技館で個人戦が行われ、トワードルジ・ブフチョローン(日体大4年)が学生横綱に輝いた。決勝ではアルタンゲレル・デルゲルバト(日体大1年)とのモンゴル出身同士の対決を突き落としで制し、初優勝した。…

 相撲の全国学生選手権第1日は2日に東京・両国国技館で個人戦が行われ、トワードルジ・ブフチョローン(日体大4年)が学生横綱に輝いた。決勝ではアルタンゲレル・デルゲルバト(日体大1年)とのモンゴル出身同士の対決を突き落としで制し、初優勝した。念願のタイトルをつかみ「大学の4年間、ずっと目指してきたものを手に入れたので、最高の気分です」と感慨に浸った。

 モンゴル生まれで、高校入学を機に千葉・日体大柏にレスリング留学のため来日。だが日本に来て間もない高1の6月、父・トワードルジさんが交通事故のため53歳の若さで亡くなった。その父の願いが「チャンスがあれば相撲をやってほしい」というものだった。ブフチョローン自身も、小さい頃に横綱・朝青龍の活躍をテレビで見ており、相撲自体には親しみがあった。

 2019年全国高校総体のレスリング92キロ級で優勝などの実績を持つが、父の生前の言葉を実現するため、日体大進学を機に本格的に相撲に転向。齋藤一雄監督が「顔つき、目つきが良かったですね。中村泰輝(大の里)と出会ったときのようなビビッとくるものがありました」と褒めたたえるほどの逸材が、最後のチャンスで学生横綱の称号を手にした。

 ブフチョローンは今後について「もちろん大相撲に行きたいです」と明言。角界では先輩の大の里(二所ノ関)が新大関となるなど、日体大勢が活躍している。「自分が1年生の時から、尊敬している強い先輩が今、大相撲で結果を出しているのを見て、僕もそこまで行きたいと思います。大相撲に行って、横綱になりたいです」と誓った。なお今大会は8強以上で大相撲の幕下最下位格付け出し、16強以上で三段目最下位格付け出し資格を得た。