SB投手陣を支えてきた甲斐がどう判断するか、注目が高まる(C)産経新聞社 頂上決戦、日本シリーズはDeNAが本拠地連敗スタートから、敵地で破竹の3連勝を達成。王手をかけて2日から再び本拠地の戦いに臨む。打線に勢いが止まったソフトバンクがここ…

SB投手陣を支えてきた甲斐がどう判断するか、注目が高まる(C)産経新聞社

 頂上決戦、日本シリーズはDeNAが本拠地連敗スタートから、敵地で破竹の3連勝を達成。王手をかけて2日から再び本拠地の戦いに臨む。打線に勢いが止まったソフトバンクがここから意地を見せるかも注目される。

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 そして日本シリーズが終了すれば、いよいよ今季のFA戦線がスタートする。

 今オフの最大のみどころは「捕手FA」。それぞれの選手の去就判断が注目される。

 まずは現在日本シリーズを戦っているソフトバンクからは正捕手の甲斐拓也がFAイヤーを迎えている。
 
 「育成の星」として知られ、侍ジャパンの一員としても東京五輪の金メダル、2023年WBCでも世界一奪回に大きく貢献した。

 「甲斐キャノン」と称される強肩、リード面の評価も高く、今季4年ぶりのリーグ優勝に輝いたソフトバンクの扇の要として欠かせない存在。

 まず「捕手FA」が大きく動くかは、甲斐が宣言するか、否かで大きく変わってきそうだ。

 甲斐を狙うとされるのが、常勝軍団の巨人だ。4季ぶりのリーグ優勝を果たすもCSファイナルSではDeNAに3勝4敗と敗れた。

 捕手出身の阿部慎之助監督は就任1年目の今季、昨年まで主戦捕手を務めた大城卓三に加え、岸田行倫、小林誠司の3捕手併用制を選択。今季最多勝を獲得した菅野智之には小林と組ませるなど、それぞれの捕手の持ち味を生かしたことがレギュラーシーズン優勝の要因ともなったが、正捕手固定とは至らなかったことでリード、打撃など総合力の高い甲斐が仮にFA宣言すれば、獲得交渉に臨むとされる。

 そして甲斐が宣言すれば、ソフトバンクも全力で引き留めることが予想されるが、仮に流出ともなれば、大事な扇の要を欠くことで他球団捕手にも目が向けられる。

 巨人の大城もFAイヤーを迎えている。昨年16本塁打をマーク。今季開幕戦は「6番・捕手」として先発マスクをかぶりながら、開幕後は打率1割台と低迷する時期もあり、5月8日に登録抹消。5月31日に再昇格後は、6月下旬から「5番・一塁」として打撃面でチームに貢献、シーズン終盤にはエース、戸郷翔征とのバッテリーで再び存在感を示した。ただ今季は捕手としての先発機会が大幅に減ったことで熟考中とされるFA行使には、自身が捕手としてどんなポジションを築いていきたいかも関わってくると見られる。

 さらに阪神でも坂本誠志郎がFAイヤーとなっている。

 昨年は梅野が骨折離脱した8月中旬以降、特に存在感を発揮し、自己最多の84試合に出場。チームを引っ張り、18年ぶりのリーグ優勝、日本一の立役者の一人となった。ゴールデン・グラブも獲得と飛躍の年となった。

 今季はリード面で岡田彰布前監督から注文を受けることもあったが、日本一も経験したキャリアは誇れるとあって、仮に宣言すれば、こちらも複数球団の争奪戦になると見られている。
 
 いずれにせよ「捕手FA」の鍵を握るのが世界一捕手、甲斐の判断というのが衆目一致するところ。

 日本シリーズの戦いの行方、その結果を受けて背番号19がどう判断するか。今年も熱いFA戦線がいよいよ幕をあける。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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