広島からドラフト2位指名された佐藤柳之介投手(22)=富士大=と4位指名された渡辺悠斗内野手(22)=同=が1日、岩手県花巻市の同大学で白武スカウト統括部長、近藤スカウトから指名あいさつを受けた。即戦力左腕として期待される佐藤は、この日が…
広島からドラフト2位指名された佐藤柳之介投手(22)=富士大=と4位指名された渡辺悠斗内野手(22)=同=が1日、岩手県花巻市の同大学で白武スカウト統括部長、近藤スカウトから指名あいさつを受けた。即戦力左腕として期待される佐藤は、この日が誕生日。1年目から先発ローテの一角を担い、球団の左腕では初となる新人王に意気込んだ。
引き締まった佐藤の表情が、少し崩れた瞬間があった。ドラフト指名から1週間が過ぎたこの日は22歳の誕生日。その話題を振られると「22年間の中で一番うれしい日になったかな」と22度目のバースデーが節目の一日と重なり、喜びをかみしめた。
新たな1年は、カープの一員としてスタートを切ることになる。ルーキーイヤーの目標は開幕ローテ入り。「1年目から開幕ローテに入ることを目標にやっていきたい」と力強く宣言した。先発ローテでフル回転すれば、おのずと新人王という栄冠も見えてくる。
球団ではかつて大瀬良、森下、栗林らが新人王に輝いたが、左腕の新人王となれば球団史上初になる。「簡単には取れないと思う。他にもすごくいい投手が入団していますし、そういう投手との争いになる」と、厳しい競争になることは承知している。その上で、自らも負けん気をのぞかせた。
「一試合一試合をしっかり投げて、結果的に取れれば一番いい。取れるなら取りたいし、(プロに)入ったからには目指す価値はあると思う。意識はしないけど、取ってみたい」と1年目から強力投手陣の中に割って入り、フル回転で球団史に名を刻むことに闘志を燃やした。
最速148キロで総合力の高さが武器。「ストレートの回転数や伸び、キレには自信があるというか、自分のアピールポイント。高校の監督から『球速は、あまり求め過ぎない方がいい』と言われた。球速が遅くてもそっち(キレ、伸び)にフォーカスした方が打たれにくいと言われて、それを意識するようになってからあまり打たれなくなった」
大学でも、投球の回転数などを計測する「ラプソード」という機器を用いて、球の伸びとキレを磨いてきた。打者が球速以上に早く感じる直球を投げることが理想で「今は160キロを投げる投手がザラにいる。そういう投手にはなれない。そういうところで勝負するのが自分の生きる道」と胸を張った。プロの世界でも、突き詰めた自らの真骨頂を生かしていく。
チームを勝たせられる投手が理想で「1年目から戦力になれるように力を尽くしたい」と佐藤。みちのくのクレバーな左腕が、広島から新たな歴史の一ページをつくる。
◇佐藤柳之介(さとう・りゅうのすけ)2002年11月1日生まれ。22歳。宮城県出身。179センチ、86キロ。左投げ左打ち。投手。小学校時代に塩釜ドラゴンズで野球を始め、中学時代は七ケ浜シニアでプレー。東陵では1年秋からベンチ入り。富士大では1年春からリーグ戦に登板。これまで4度の全国大会を経験。最速は148キロ。自信のある変化球はカーブ。好きなアーティストは、ミセス・グリーンアップル。好きな食べ物は、お肉。好きな俳優は永野芽郁。