大学と実業団の男子トップチームが参加する「ACN EXPO EKIDEN 2025」(エキスポ駅伝)が来年3月16日、大阪・吹田市の万博記念公園スタート、大阪市の夢洲周辺ゴールの約55キロ7区間で行われる。大学と実業団の各10チーム、計2…

 大学と実業団の男子トップチームが参加する「ACN EXPO EKIDEN 2025」(エキスポ駅伝)が来年3月16日、大阪・吹田市の万博記念公園スタート、大阪市の夢洲周辺ゴールの約55キロ7区間で行われる。大学と実業団の各10チーム、計20チームが参加予定。大学勢は今季学生3大駅伝第2戦の全日本大学駅伝(3日)の上位チームなどに出場資格が与えられる。今年1月の箱根駅伝で優勝した青学大、今季開幕戦の出雲駅伝(10月14日)を制した国学院大は実業団との「ガチンコ勝負」に意欲を示した。

 今季の駅伝シーズンは開幕戦の出雲から熱戦が繰り広げられた。国学院大の平林清澄(4年)、駒大の篠原倖太朗(4年)、青学大の太田蒼生(4年)がアンカーで対決。2月の大阪マラソンで日本学生最高記録の2時間6分18秒で優勝した平林が無尽蔵のスタミナを生かして優勝のゴールテープを切った。

 駅伝シーズンを締めくくりとして来年3月に大学と実業団の強豪が参戦する新規大会のエキスポ駅伝が開催される。国学院大、駒大、青学大の3強をはじめ大学のトップチームとトヨタ自動車、ホンダ、旭化成など実業団のトップチームがカテゴリーを超えた真剣勝負が計画されている。

 エキスポ駅伝は25年の「大阪・関西万博開催記念」として同年3月16日に行われる。1970年の大阪万博から55年後に開催される大阪・関西万博にちなんで、大阪万博の会場だった万博記念公園をスタートし、大阪・関西万博の会場となる夢洲周辺をゴールとする約55キロの7区間で争われる。

 実業団と大学の各10チーム、計20チームが参加予定。大学勢は全日本大学駅伝の上位校、地区学生連盟の選抜チーム、主催者推薦チームが出場。大学駅伝関係者によると「全日本の上位8校に参加資格が与えられる」という。今年の伊勢路は「実業団への挑戦権」をかけたレースにもなる。

 今年1月の箱根駅伝で2年ぶり7度目の優勝を果たした青学大の原晋監督(57)は「出雲では国学院大が本当に強かった」と勝者をたたえた上で「全日本、箱根には勝って、エキスポ駅伝でも優勝したい」とやる気満々。3月中旬という開催時期であるため「3年生以下のベストメンバーで臨む予定です」と話した。

 出雲駅伝で5年ぶり2度目の優勝を果たした国学院大の前田康弘監督(46)も「出場権を獲得し、実業団チームとガチンコ勝負したい」と意欲を示した。エース平林は来年の東京世界陸上マラソンで日本代表の有力候補。来年は1月箱根の後、2~3月、いずれかの日本代表選考レースのマラソンに出場予定。前田監督は平林のエキスポ駅伝出場について「あくまで、その時の体調を最優先に考えますが、走れる状態であれば走るでしょう」と明かした。順調にいけば「世界陸上マラソン日本代表・平林清澄」として、国学院大ユニホームの最後の雄姿となる。

 「3強」の一角の駒大の藤田敦史監督(47)は「検討中です」と説明した。

 3月中旬は、ロードからトラックへの移行準備期間。距離は最長で約12キロ(3区)、最短で約5キロ(2区、4区、6区)。前田監督は「開催時期も距離も適切で多くのチームが参加しやすいと思います」と話す。

 パリ五輪男子マラソン6位入賞の赤崎暁(26)=九電工=、同3000メートル障害8位入賞の三浦龍司(22)=スバル=、1万メートル日本記録(27分9秒80)保持者の塩尻和也(27)=富士通=らをはじめ、旭化成の相沢晃(27)、トヨタ自動車の田沢廉(23)、ホンダの伊藤達彦(26)ら実業団のトップランナーが参加すれば「真の日本一決定戦」として盛り上がるはずだ。

 エキスポ駅伝大会事務局では「本大会は大阪・関西万博の機運醸成を目的にしており、基本的には今回限りとなります」と説明しているが、原監督は「第1回大会が盛り上がって成功すれば、継続して開催してほしい」と希望する。

 御堂筋、大阪城、道頓堀、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなど大阪の中心と名所を駆け抜ける。駅伝シーズンを締めくくるにふさわしい華やかなコースだ。

 勢いがある大学駅伝チームと経験豊富な実業団チーム。強いのはどっちだ。ベストメンバーがそろったガチンコ勝負の実現が待たれる。(竹内 達朗)

 ◆エキスポ駅伝開催要項

 ▽日時 25年3月16日午前9時スタート予定

 ▽コース 大阪・吹田市の万博記念公園スタート、大阪市の夢洲周辺ゴールの約55キロ7区間(1区約9キロ、2区約5キロ、3区約12キロ、4区約5キロ、5区約10・5キロ、6区約5キロ、7区約8キロ)

 ▽参加 計20チーム(予定)

 ▽実業団チーム出場資格 第69回全日本実業団(ニューイヤー)駅伝(25年1月1日)の上位チーム、実業団連合推薦チーム(選抜チームを含む)、主催者推薦チーム

 ▽大学チーム出場資格 第56回全日本大学駅伝(11月3日)の上位チーム、地区学生連盟からの選抜チーム、主催者推薦チーム

 ▽テレビ放送 ABCテレビ・テレビ朝日系列全国ネットで生中継

 ▽その他 外国人選手の出場枠や出場区間(インターナショナル区間)などについては日本実業団連合、日本学生連合と協議調整中