31日から、滋賀県の瀬田ゴルフコース・北コースで、TOTOジャパンクラシックが開催される。同大会は日米ツアーの共催(※)で、多くの米ツアートップ選手が来日するが、歴代優勝者を見ても、各回の上位進出者を見ても、日本人選手の活躍が目立っている。…
31日から、滋賀県の瀬田ゴルフコース・北コースで、TOTOジャパンクラシックが開催される。同大会は日米ツアーの共催(※)で、多くの米ツアートップ選手が来日するが、歴代優勝者を見ても、各回の上位進出者を見ても、日本人選手の活躍が目立っている。
昨年大会は稲見萌寧が優勝した。2022年大会はトップ10に7名の日本人選手が入った。
今回は、日本ツアーで通算6勝をあげており、今季から主戦場としている米ツアーで初優勝を狙っている西郷真央に注目したい。
(※)20、21年は新型コロナの影響で日本ツアー単独開催。
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■米ツアートップ25回数が3位タイ
西郷は、今季米ツアーに25試合出場しており、安定感を発揮している。トップ10の回数は7回で、7位タイ。トップ25の回数は13回で、3位タイとなっている。その結果、年間ポイントランキングでは現時点で9位につけている。ただ、上位10名で西郷だけが未勝利。
安定感があるプレーをしながら優勝に手が届いていない西郷が、出場選手の中で最も優勝を欲している選手かもしれない。
LPGA所属の出場選手の中で、ポイントランキングで西郷よりも上位につけているのは、ユ・ヘランと古江彩佳の2名のみ。今季現時点で出場した日本ツアーは、開幕戦のダイキンオーキッドレディスのみで、そこでは2位だった。
米ツアーのルーキーオブザイヤーのレースで首位を快走する西郷は、“あたり前のように上位進出しているであろう一人”ではないだろうか。
■平均ストローク6位 ボールストライキング3位
西郷の平均ストロークは70.28で6位。そのスコアメイクを支えているのはショットだ。
現時点でドライビングディスタンスが262.90ヤードで57位、フェアウェイキープ率が76.27%で31位、パーオン率が75.90%で3位。その順位を合算した値のボールストライキングは3位に入っている。
一方、パットには難がある。今季の米ツアーでのパーオンしたホールの平均パット数が1.79で28位、1ラウンドあたりの平均パット数が30.24で93位だ。
ダイキンオーキッドレディスでも、パーオン率は1位だったが、1ラウンドあたりのパット数は32位だった。
パーオン率が高ければ、ファーストパットが長くなりやすい。よって、1ラウンドあたりのパット数が多くなるのはやむを得ない面があるが、少しでも減らしていきたいところだ。
■2021年大会3位
TOTOジャパンクラシックは21年大会で好成績をあげている。日本ツアー単独開催だったが、優勝争いに加わり3位に入った。
西郷にとって初の日米共催でのTOTOジャパンクラシックとなった22年大会は36位タイ。昨年大会は53位タイだった。
昨年は会場が瀬田ゴルフコースではなかったということもあり、気にしなくて良いかもしれない。
■日本で黙々とこなしていた練習が花開くか
最近4戦は、2度トップ5に入るなど好調を維持。
ウォルマートNWアーカンソー選手権は4位タイ。ビュイックLPGA上海では、3日目終了時に単独首位に立ちながらの2位タイだった。
結果的には12位タイ、30位タイフィニッシュだったBMW女子選手権とメイバンク選手権でも、初日終了時はそれぞれ5位タイ、単独首位と、リーダーボードの上の方に名前があった。
日本ツアーでの実績、米ツアーでの安定感、最近の調子を総合的に見ると、日本開催の日米共催大会ではチャンスが大きくなると見て良いのではないだろうか。
西郷の師は尾崎将司、プロ入り前も後もジャンボ邸で練習に励んでいた。ジャンボ軍団であり、「誰も書けなかったジャンボ尾崎」の著者でもある、96年賞金ランキング2位の金子柱憲は、自著の中で西郷のことを以下の通り評している。
‟あまり目立つタイプではありませんでしたが、黙々と練習する姿には、その意志の強さを感じます。練習中も、あまりおしゃべりをすることもなく、自分の世界に入り込んで練習するタイプです”
黙々とこなしてきた練習の、これまでで最も大きな成果が、今週あげられても不思議ではない。
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著者プロフィール
野洲明●ゴルフ活動家
各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。