日本ボクシング連盟は28日、都内で会見し、五輪での競技の地位を守るために設立された新団体「ワールド・ボクシング(WB)」に全面協力する方針を打ち出した。 WBは昨年設立され、日本連盟は9月に加盟した。現在は選手の試合機会確保などの観点から…

 日本ボクシング連盟は28日、都内で会見し、五輪での競技の地位を守るために設立された新団体「ワールド・ボクシング(WB)」に全面協力する方針を打ち出した。

 WBは昨年設立され、日本連盟は9月に加盟した。現在は選手の試合機会確保などの観点から国際ボクシング協会(IBA)と重複加盟の形を取っているが、仲間達也会長は「積極的に連携を取る形で動いている」と説明。「WBがIOC(国際オリンピック委員会)に認められるかどうかを見守るのではなく、その一員として自分たちに何が出来るか。我が事と思って協力していかないといけない」と語った。

 五輪を巡っては、IBAが組織運営の問題でIOCから統括団体の資格を取り消され、28年ロサンゼルス五輪での実施は保留となっている。IOCは新統括団体の設立を競技存続の条件としており、WBがその候補として承認を目指し、IOCと折衝を続けている。

 加盟国数も順調に増えており、仲間会長によると、IOCの承認の基準の一つとされる50は超える見通し。WBでは来月下旬に世界選手権に相当する「ワールドボクシングカップファイナル」(英国)を開催するが、この大会をIOCが視察する予定だという。

 日本はWBの大会に9月に初めて参加したが、今後も国際大会への派遣はジュニアを含めてWB主催大会に重点を置く。ワールドボクシングカップファイナルについても全日本選手権と日程が重なるが、パリ五輪代表の原田周大(専大)、岡沢セオン(INSPA)ら男女トップ選手に加え、審判の派遣も決めた。仲間会長は「大会を盛り上げ、WBが(統括団体として)IOCから評価されるように協力していきたい」と意図を説明。大会派遣だけではなく、WBとアジアの未加盟国との橋渡し役も積極的に担っていく考えも示した。