シリーズの潮目を変えるのは、主将ジャッジのバット以外にない-。敵地でワールドシリーズ連敗を喫したヤンキースの行方は、やはりアーロン・ジャッジ外野手(32)の復調がキーポイントとなる。過去2戦は、ドジャース投手陣の前に9打数1安打、打率1割1…

シリーズの潮目を変えるのは、主将ジャッジのバット以外にない-。

敵地でワールドシリーズ連敗を喫したヤンキースの行方は、やはりアーロン・ジャッジ外野手(32)の復調がキーポイントとなる。過去2戦は、ドジャース投手陣の前に9打数1安打、打率1割1分1厘、0本塁打、6三振。今ポストシーズン通算でも、打率1割5分、2本塁打、6打点で19三振と、今季2冠でMVP確実と言われる大砲の本来の実力にはほど遠い。

その一方で、短期決戦だけに、ひと振りでシリーズの流れが変わる可能性も高い。特に、本拠地ヤンキースタジアムのポストシーズンの雰囲気は他球場以上に異様な盛り上がりを見せることで知られる。大谷へのブーイングだけでなく、得点した際に超満員のスタンドが大きく揺れ、大音量の音楽が鳴り響く光景は、相手にとっては「難敵」でもある。たとえ劣勢でも、不振ジャッジが豪快な一撃をたたき込めば、ムードが一変するだけに、主将の奮起次第と言っていい。第2戦後、ジャッジ自身が「シンプルにストライクを振ることだ」と自らに言い聞かせたように、四球を選ぶようになれば、不振脱出の瞬間も近い。

ヤ軍は27日ロサンゼルスからの移動後、全体練習は行わず、休養に充てた。ジャッジの前を打つソトが好調を維持しており、「2番ジャッジ」「3番ソト」へ入れ替える可能性が浮上しているものの、いずれにしても3連敗阻止は絶対条件。ブーン監督は連敗後「だれも簡単でないことは分かっている」と振り返った。本拠地初戦を取れば、ド軍の勢いも止まる。世界中が注目する頂上決戦。盟主ヤ軍が、このままずるずると引き下がるはずはない。(ニューヨーク=四竈衛)