「秋季高校野球近畿大会・準々決勝、東洋大姫路4-0大院大高」(27日、ほっともっとフィールド神戸) 準々決勝3試合が行われ、東洋大姫路が大院大高を4-0で下して4強入りし、2022年以来3年ぶりとなる来春センバツ出場を当確させた。2019…

 「秋季高校野球近畿大会・準々決勝、東洋大姫路4-0大院大高」(27日、ほっともっとフィールド神戸)

 準々決勝3試合が行われ、東洋大姫路が大院大高を4-0で下して4強入りし、2022年以来3年ぶりとなる来春センバツ出場を当確させた。2019年夏に履正社を全国優勝に導いた岡田龍生監督(63)の就任以降初の甲子園出場が決定的となった。市和歌山は立命館宇治に10-0で六回コールド勝利。智弁和歌山は7-2で滋賀学園を下した。

 岡田監督は目を伏せて校歌を歌った。古豪とはもう呼ばせない。東洋大姫路が風格をまとい、春切符を手中に収めた。

 圧巻の試合運びだった。二回2死二塁で白鳥翔哉真外野手(2年)の中前適時打で先制。六回には2本の長打を絡めて一挙3得点と指揮官が率いた履正社時代さながらの強打を発揮した。投げてはプロ注目の最速147キロ右腕・阪下漣投手(2年)が9回6安打無失点、球数90球でマダックス(球数100球以内での完封勝利)を達成。それでも、岡田監督は「ストレートがまだ甘い」と合格点は与えなかった。

 最盛期の母校の姿を知るからこそ、まだ物足りない。「OBはすごくさみしい思いをしている。それぐらい勝っていない」。岡田監督が1年時だった1977年夏の全国Vも含め76~82年で春夏4度甲子園4強入りしていたが、今は甲子園での白星が2011年夏から13年も遠ざかる。

 「もう一回優勝できるチームにしたいと明確にしてあげないと。勝ち方、これを覚えていけば勝てる」。22年4月の就任後は履正社時代の経験を伝え、ナインの私生活の過ごし方からみっちり指導。「(強いチームの)サイクルができるように」とかつての東洋の姿を取り戻すべく心血を注いでいる。

 「全盛期は甲子園に出られたらいいわ、とは思っていなかった」。甲子園出場はあくまで通過点。胸の「TOYO」の文字に威圧感が漂いつつある。