「ワールドシリーズ、ドジャース6-3ヤンキース」(25日、ロサンゼルス) ドジャースがフレディ・フリーマン内野手の逆転サヨナラ満塁弾で第1戦を制した。MVPラインの1人、ムーキー・ベッツ内野手は試合後、地元放送局のインタビューで「フレディ…

 「ワールドシリーズ、ドジャース6-3ヤンキース」(25日、ロサンゼルス)

 ドジャースがフレディ・フリーマン内野手の逆転サヨナラ満塁弾で第1戦を制した。MVPラインの1人、ムーキー・ベッツ内野手は試合後、地元放送局のインタビューで「フレディが経験してきたことを考えると、これはとても特別なことだ。彼でよかった」と感極まったような表情で振り返った。

 延長十回、2死二、三塁となったところで自身は一塁へ歩かされた。勝つためにはフリーマンを信じるしかなかった。表情を変えず一塁へ向かったベッツ。直後、フリーマンが初球を完璧に振り抜くと、打球は右翼席に飛び込んでいった。

 ホーム付近でチームメートが輪を作って出迎え、ベッツはフリーマンと抱き合った。「特別な瞬間だった」。フリーマンが右足首をねんざしたゲームでは、二塁からぼうぜんの表情で見つめていた。痛がり方を見て、フリーマンがポストシーズンへの出場が危ぶまれることは肌で感じていた。

 それでも地区シリーズからスタメンに名を連ね、右足を引きずりながらでも激走した。ベッツも優勝決定シリーズ第1戦ではブレーキをかけることができないフリーマンをホームで受け止めた。

 「自分は76キロしかないのに、デカいのが倒れそうになった。筋トレをしていたおかげで受け止めることができた。彼は常に全力を尽くしている。僕は彼をサポートするためにここにいる。片足の状態で彼がやっていることは本当にすごい」と明かしていたベッツ。同僚として、尊敬の念を抱き続けるその思いがグラウンドインタビュー後に表れた。

 フリーマンがT・ヘルナンデスらによるバケツシャワーを豪快に浴びたあと、走ってきたベッツが勢いよくフリーマンの胸に飛び込んできた。そして2人で喜びを噛みしめるように抱き合った。

 野手陣の精神的支柱とも言える2人。心を揺さぶられる男たちがいたからこそ、ドジャースは最後の最後で試合をひっくり返すことができた。