「JERA CSセ・ファイナルS・第6戦、巨人2-3DeNA」(21日、東京ドーム) 歓喜の輪の中には、戦線を離脱したDeNAのエース・東克樹投手(28)の姿があった。 今季13勝、防御率2・16、リーグトップの183回を投げ抜いた大黒柱…

 「JERA CSセ・ファイナルS・第6戦、巨人2-3DeNA」(21日、東京ドーム)

 歓喜の輪の中には、戦線を離脱したDeNAのエース・東克樹投手(28)の姿があった。

 今季13勝、防御率2・16、リーグトップの183回を投げ抜いた大黒柱。CS進出へ大車輪の活躍を見せた左腕はファーストS・阪神戦の第1戦、まさかの負傷で戦列を離れざるを得なかった。無失点のまま四回の打撃で左太もも裏の肉離れで途中降板。13日に出場選手登録を抹消された。

 だが、故障後も日本シリーズでの復帰登板を信じ、1軍で調整を進めた。「今やれる全力、限界を超えないギリギリのラインでトレーニングしています」。そこには東の責任感、そして誇りとプライドがにじんでいた。

 昨季までエースだった憧れの今永(カブス)からエースのバトンを受け、自らを奮い立たせてきた。「自覚のようなものが芽生えてきた。今永さんの背中を勝手に追わせてもらってます」。登板できなくともチームの士気を高めようと、できる準備に最善を尽くした。

 三浦監督も今季のチームの象徴である背番号11にこんな言葉を贈った。「最後まで一緒に戦おう」。東は毎試合、試合中も帰宅することなく東京ドームのロッカールームで戦況を見守った。フル回転でチームをCS進出に押し上げた左腕が、今度は仲間たちの力投によって手にした日本シリーズへの切符。状態さえ整えば、大舞台で登板する可能性もある。(デイリースポーツDeNA担当・福岡香奈)