プロボクシングの世界4団体スーパーバンタム級(55・3キロ以下)統一王者の井上尚弥(大橋)が21日、都内でWOWOWの収録にスペシャルゲストとして出演した。収録後に取材に応じ、「パウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級を通じた最強ランキ…

 プロボクシングの世界4団体スーパーバンタム級(55・3キロ以下)統一王者の井上尚弥(大橋)が21日、都内でWOWOWの収録にスペシャルゲストとして出演した。収録後に取材に応じ、「パウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級を通じた最強ランキング)になりたいという若者がいるというのであれば、その若者が来るのを待つしかない」と発言。かねてからPFP1位を目標としていることを公言しているWBC世界バンタム級(53・5キロ以下)王者・中谷潤人(M・T)との対戦まで、フェザー級に階級を上げない方針を示した。

 「これだけボクシングファンが言っているのであれば、もう口に出していいのかな」とファン待望の一戦にはっきりと言及。中谷が14日の2度目の防衛戦でペッチ・ソー・チットパッタナ(フィリピン)を6回TKOで破った試合について「やっぱり強いなと印象ありましたし、だからこそ、自分も興味出てきた」と意識する大きなきっかけになったとした。

 中谷との対戦時期については来年以降となるが、尚弥は「時期についてはまだ」と具体的ではないとした。ただ、来年も「3試合やりたい。海外も入ってくると思う」と米ロサンゼルスで行われた21年6月のマイケル・ダスマリナス(フィリピン)戦以来、4年ぶりに海外で試合を行う可能性があることも示唆した。

 この日は11月4日、午後9時から放映、配信予定の「井上尚弥出演!エキサイトマッチSP 「井上尚弥vsTJ・ドヘニー」「武居由樹vs比嘉大吾」で自身の試合を解説。9月3日に東京・有明アリーナで行われたTJ・ドヘニー(アイルランド)との防衛戦について「消化不良」などと述べ、次戦でその思いも乗せた戦いをしたい意向を示した。

 大橋ジムはこの日、24日に尚弥とWBO世界バンタム級(53・5キロ以下)王者・武居由樹(大橋)が次戦についての会見を行うと発表。モンスターは12月24日にIBFとWBOで世界スーパーバンタム級1位のサム・グッドマン(オーストラリア)との対戦が有力視されている。

 また、元世界3階級制覇王者のジョンリール・カシメロ(フィリピン)との対戦については「100%やることはない」と完全否定。サウル・サンチェス(米国)戦(13日、神奈川・横浜武道館)の前日計量で、56・3キロとスーパーバンタム級(55・3キロ以下)の1キロオーバー。両陣営合意の上、当日計量58・1キロ以下の契約体重で試合を行い、カシメロが1回KO勝利していた。「実力はあるけど、そういうところが大橋(秀行)会長が試合を組めない所の一つ」とあきれていた。

 戦績は尚弥が28戦全勝(25KO)、中谷が29戦全勝(22KO)。