パリ・パラリンピックの競泳男子代表に初めて選ばれ、出場した4種目全てで入賞を果たした神奈川県茅ケ崎市在住の田中映伍(えいご)選手(20)に16日、同市の特別表彰が贈られた。50メートル背泳ぎとバタフライでは自身が持つ日本記録を更新。田中選…

 パリ・パラリンピックの競泳男子代表に初めて選ばれ、出場した4種目全てで入賞を果たした神奈川県茅ケ崎市在住の田中映伍(えいご)選手(20)に16日、同市の特別表彰が贈られた。50メートル背泳ぎとバタフライでは自身が持つ日本記録を更新。田中選手は「満席の会場で楽しみながらベストを更新することができた。4年後のロスでは世界記録を更新して金メダルを取りたい」と目を輝かせた。

 田中選手は生まれつき両上肢欠損の障害があったが、4歳で始めた水泳のほか、サーフィンやサッカーなどを愛好。小学生のときに見たリオ・パラリンピックで、自分と同じ両腕がない選手の泳ぎを見て、本格的にパラ水泳を志した。

 現在は東洋大2年。パリに向けて「スタートの15メートル」の加速を強化したのが実を結び、50メートルバタフライで5位、背泳ぎで6位、混合メドレーで7位、100メートル自由形で8位と好成績を収めた。

 パリに応援に行った父親の一郎さんは「彼は生まれた時から手がないので、ずっと親の世話が必要だと思っていた。なのにいつの間にか『あれも、これも』とできるようになり、ついにパラリンピック。驚きの連続で、親バカですが、誇らしいです」と語った。(足立朋子)