2024年シーズン全日本ラリー選手権第8戦「第51回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2024 supported by KYB」の初日は、10月19日(土)に 6カ所のスペシャルステージを走行。トップカテゴリーのJN-1クラスは、…

2024年シーズン全日本ラリー選手権第8戦「第51回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2024 supported by KYB」の初日は、10月19日(土)に 6カ所のスペシャルステージを走行。トップカテゴリーのJN-1クラスは、ヘイキ・コバライネン/北川紗衣(トヨタGRヤリス・ラリー2)が、新井大輝/松尾俊亮(シュコダ・ファビアR5)に3.9秒差をつけて、初日トップに立った。33.2秒差の総合3番手には福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)がつけている。

北海道を舞台とするグラベル2戦を経て、全日本ラリー選手権はシーズンのフィナーレ、第5戦モントレー以来となる舗装イベントのハイランドを迎えた。今年も岐阜県高山市の「位山交流広場」に置かれたサービスパークを起点に、バラエティに富んだターマックステージを走行する。10月半ばの高山は天候が不安定であり、ラリーウイークも雨の予報が出ている。

ラリー初日は、高山市役所でのセレモニアルスタートに続き、「あたがす(9.54km)」、「牛牧上り(6.16km)」、「アルコピア-無数河(6.08km)」の3SSをサービスを挟んでリピートする6SS、43.56km。朝から雨が降り始めたうえ、ステージには落ち葉も点在しており、注意が必要だ。

今回、TOYOTA GAZOO Racing-WRJは、ラリー北海道の前に行われたテストや本戦でオイル漏れなど車両トラブルが発生したこと、ラリー本番でもJN-1クラスの眞貝知志、Morizo Challenge Cupに参戦する大竹直生がともにリタイアに終わったことを受けてハイランドの欠場を発表。また、トヨタGRヤリス・ラリー2でJN-1クラスに参戦するLUCK with ROOKIE Racingの勝田範彦もエントリーをしていない。

小雨が落ちるなか行われたSS1、ベストを刻んだのは「ラリージャパンに向けて、ウエットのテストとして走行する」と語った新井大輝。今回がターマックでのGRヤリス・ラリー2初ドライブとなったコバライネンに7.7秒、奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス・ラリー2)に12.7秒、福永に13.7秒差をつけてみせる。

SS2も新井大輝が、ブレーキのフィーリングに不満を訴えるコバライネンに4.9秒差をつける連続ベスト。ウエットコンディションで経験を活かした新井敏弘/井上草汰(スバルWRX S4)が6.7秒差の3番手タイムを記録し、5番手から3番手にポジションを上げた。

雨脚が強まったSS3は、コバライネンが新井大輝を1.6秒上まわる一番時計。午前中のセクションを終えて、首位新井大輝と2番手コバライネンの差は11.0秒、25.4秒差の3番手に新井敏弘、31.6秒差の4番手に福永、34.6秒差の5番手に奴田原のオーダーで午前中のセクションを終えた。

サービスを挟んだ午後のセクション、依然として雨が降り続いている。SS4は新井大輝、SS5はコバライネンが僅差でベストを獲り合う。迎えたSS6、新井大輝がフィニッシュまで1km地点で痛恨のスピン。リバースギヤに入れるなどコース復帰に手間取り、このステージだけでベストのコバライネンから15.5秒も遅れてしまう。これでコバライネンがトップに浮上し、スタートから積み上げてきたリードを失った新井大輝は3.9秒差の2番手に順位を落とした。

予想外の首位で初日を終えたコバライネンは「まだ完璧に自信が持てていないけど、クルマは確実に良くなっている。ブレーキのセッティングを少し変えたら、効きも良くなったね。ヒロキがスピンしたからトップに立ったけど、明日、彼を打ち負かすのは簡単にはいかないと思う」と、慎重にコメント。

対する新井大輝は「午後もステージごとにセットアップを変えながら走りました。低速コーナーに合わせると、中速・高速に合わなくなってしまって、SS6ではスピンした形です。それでもウエットタイヤに慣れていないなか、悪くない走りができた気がします」と、冷静に振り返った。

SS4で新井敏弘を交わした福永が、33.2秒差の3番手。
「午後はタイヤをドライのカット入りから、ウエットに変えたことで、タイムが少しだけ上がりました。ウエットタイヤは絶対的なグリップは低いけど、コントローラブルということが分かりました」と、福永は収穫を語っている。

49.4秒差の4番手は新井敏弘、54.3秒差の5番手に奴田原文雄、1分16秒3差の6番手に鎌田卓麻/松本優一(スバル)がつけている。