J2で2位の清水エスパルスは20日、ホームで7位の山形と対戦する。18日は三保で一部非公開調整した。勝てば昇格が決定。引き分け以下でも3位・長崎の結果次第で2位以上を確定できる。前回、昇格を決めた16年のアウェー・徳島戦は出番なく終えたF…

 J2で2位の清水エスパルスは20日、ホームで7位の山形と対戦する。18日は三保で一部非公開調整した。勝てば昇格が決定。引き分け以下でも3位・長崎の結果次第で2位以上を確定できる。前回、昇格を決めた16年のアウェー・徳島戦は出番なく終えたFW北川航也(28)が主力として迎える今回、自らの一撃で歓喜の瞬間を呼び込む。

 表情にはほどよい緊張感が漂った。決戦2日前、チームを代表して報道陣の取材に応じた清水・北川は「プレッシャーはあるけど、それをワクワク感、楽しみに変えることが大事。この位置にいられることを楽しみながらプレーする」と宣言した。

 現所属選手で16年の昇格を経験しているのは自身だけ。同年は2位で最終節を迎え、アウェー・徳島戦を2―1で制してJ1へ駆け上がった。同戦はベンチ入りしたものの、出場機会はなし。8年の時を経て、今回は1トップでの先発が確実だ。必然的にゴールが期待されるが、信念に揺らぎはない。「得点にからむことはこだわっているが、何よりチームが勝つことが大事。そのためにプレーしたい」と、いつも通りの言葉を紡いだ。

 山形は5連勝と絶好調で、3月のアウェー戦も0―2と完敗している難敵だ。「準備してきた山形対策もあるけど、最後のところは気持ち。構えずに出て行くことが大事」。対峙(たいじ)するFWディサロは昨夏まで清水に在籍していた。「気をつけないといけない選手。しっかり抑えたい」と4戦連発中の元同僚封じにも一役買う。

 チームは今季、ホームで無敗(13勝3分け、国立1試合含む)を継続している。17日までにチケットの完売を発表しており、満員となるのは間違いない。さらに母校・駿河総合高書道部からはエールの意味を込めて全選手、監督の名前とキャッチフレーズを記した作品が贈られ、当日、西コンコースに飾られるなど後押しも受ける。「ホームでそういった雰囲気になるのは誇らしい」。舞台は整った。帰るべき場所へ、帰る時が来た。(武藤 瑞基)

 〇…練習を見守った秋葉忠宏監督(49)は「ホームで(昇格の)チャンスを迎えられるのは偶然じゃない。エスパルスを愛する全てのサポーターファミリーと共に決めたい」と約束した。前節の水戸戦は他会場の動向次第だったが、今回は自力でつかみ取れる立場になる。「(山形が)5連勝しているからこそ、たたきがいがある」と自慢の戦力でねじ伏せる。