<セ・CSファーストステージ:阪神3-10DeNA>◇第2戦◇13日◇甲子園阪神大山悠輔内野手(29)が今年4月に初取得した国内フリーエージェント(FA)権の行使を熟考することが13日、分かった。今季は不調による2軍再調整も経験しながら、シ…
<セ・CSファーストステージ:阪神3-10DeNA>◇第2戦◇13日◇甲子園
阪神大山悠輔内野手(29)が今年4月に初取得した国内フリーエージェント(FA)権の行使を熟考することが13日、分かった。今季は不調による2軍再調整も経験しながら、シーズン終盤は再び4番に返り咲いた。凡打でも全力疾走を貫くなど、姿勢の面でもチームに与える影響力が大きい主砲。仮に行使すれば複数球団による争奪戦となる可能性が高く、球団は全力で慰留に努める。
◇ ◇ ◇
終戦後、4番大山は全責任を背負い込むように同じ言葉を繰り返した。
「悔しいです。それだけです。悔しいです。悔しいしかないです」
レギュラーシーズンを2位で終え、最後はCSファーストステージでDeNAに2連敗。厳しい表情のまま甲子園を後にした。
昨季は「不動の4番」としてチームを18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりの日本一達成に導いた。一方で今季は下半身のコンディション不良も影響し、開幕直後から不振が長引いた。打率が1割台に突入していた6月4日楽天戦(甲子園)には連続試合出場が227でストップ。翌5日からは約2週間の2軍再調整も経験した。不振による2軍降格は6年ぶりの屈辱だった。
それでも同月下旬に1軍復帰後は復調。5番起用を経てシーズン終盤には4番復帰し、最終的にはチームトップ、リーグ2位の得点圏打率3割5分4厘の勝負強さで打線を支えた。14本塁打、68打点はともにチーム3番目の数字だ。巧みなハンドリングで知られ、昨季ゴールデングラブ賞を獲得した一塁守備でも貢献度は高い。常に全力疾走を怠らない姿勢でもチームへの影響力は大きい。近日中に誕生する藤川球児新監督のもとでも絶対に欠かせない存在に違いない。
4月20日に初めて国内FA権を取得。その際は行使について「今は目の前の試合をしっかり全力でやるだけ」と話すにとどめていた。今後はまずFA権行使の有無について検討するとみられる。8年間過ごしたタイガースへの愛着は人一倍強い。一方で一野球人として、他球団の評価を聞いてみたい欲求もゼロではないだろう。仮に権利を行使すれば、複数球団による争奪戦も予想される。球団は全力で慰留に努める方針だ。
◆大山悠輔(おおやま・ゆうすけ)1994年(平6)12月19日生まれ、茨城県出身。つくば秀英-白鴎大を経て16年ドラフト1位で阪神入団。1年目の17年から先発4番を務め、19、23年には全試合出場を果たすなど、阪神の主砲として活躍。球団在籍137本塁打は阪神13位。181センチ、94キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸は2億8000万円。