本人の最優先は日本球界への残留と見られているが、果たして……。(C)産経新聞社 今季終了をもって中日からの退団が決定したデヤン・ビシエド。そんな“助っ人砲”を巡って熾烈な争奪戦が繰り広げられている。【関連記事】中日を退団したビシエド争奪戦ス…

本人の最優先は日本球界への残留と見られているが、果たして……。(C)産経新聞社

 今季終了をもって中日からの退団が決定したデヤン・ビシエド。そんな“助っ人砲”を巡って熾烈な争奪戦が繰り広げられている。

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 現地時間10月9日、キューバ系選手の移籍情報に精通している全米野球記者協会に所属するフランシス・ロメロ記者は、自身のXで「情報筋によると、ビシエドは2025年、中日に復帰する予定はない。少なくとも4つのNPBチームが交渉中だ」と投稿。4球団の名前こそ明記しなかったものの、日本球界での人気銘柄ぶりを示した。

 来年3月に36歳になるビシエドは、今季は開幕1軍入りを果たせず、1軍出場試合も15試合、打率.209、本塁打1本にとどまった。このスタッツだけを見ると、衰えの激しい助っ人のようにも思えるが、2軍では好成績をマーク。出場72試合で打率.300、8本塁打、OPS.859と上々の成績をマーク。出場機会さえ得られれば、成績を残せる期待ができるわけだ。

 今季で加入9年目となったビシエドは、国内FA権の有資格選手としてNPBから公示され、外国人枠を外れる日本人扱いとなっている。これも複数球団から関心を示される要因だろう。

 もっとも、“優良”キューバ人スラッガーに熱視線を送るのは、日本球界からだけではない。お隣の韓国球界からも興味を集めているという。

 韓国メディア『is Plus』は「まだまだ現役でやりたい。来年は違うチームでプレーしたい」という本人のコメントを伝えた上で、「彼の中での優先順位としてはNPB再挑戦が上だが、アジアで挑戦を続けると考えているなら、KBO(韓国プロ野球)リーグ球団の興味も強まる」と指摘。そして、国内リーグ球団の海外スカウトの“ビシエド評”も紹介している。

「KBOではNPBからやってきた助っ人選手たちの活躍が目立っている。そのため、日本球界に注目する球団が増えたのは事実だ。あるKBOリーグの海外スカウトは『ビシエドほどのキャリアを持つ選手は当然注目を集めるだろう。ただ、年齢と本人の意思が交渉のカギになる』とした」

 実際、KBOリーグでは、NPBで満足のいく結果を残せなかった助っ人選手が活躍するケースが目立っている。今季も元広島のマット・デイビッドソン(現NCダイノス)が打率.302、46本塁打、119打点、OPS1.003と猛打を炸裂。元阪神のメル・ロハスJr.(現KTウィズ)も打率.329、32本塁打、112打点、OPS.989と打ちまくった。

 そうした実情もあり、2軍成績を考えれば、「露骨に衰えている」とは言い難いビシエドに注目が集まるのは必然ではある。

 果たして、名古屋で愛された名助っ人はいかなる決断を下すのか。ここから加熱するであろう交渉の行方から目が離せない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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