J1鹿島は6日、ランコ・ポポヴィッチ監督(57)の解任を発表した。右腕のミラン・ミリッチコーチ(39)も退任し、同監督を招へいした吉岡宗重フットボールダイレクター(46)の退任も決まった。シーズン途中の強化責任者の退任はクラブ史上初。いず…

 J1鹿島は6日、ランコ・ポポヴィッチ監督(57)の解任を発表した。右腕のミラン・ミリッチコーチ(39)も退任し、同監督を招へいした吉岡宗重フットボールダイレクター(46)の退任も決まった。シーズン途中の強化責任者の退任はクラブ史上初。いずれも後任は未定。

 敵地・新潟戦で4―0の大勝から一夜明け、就任1年目のポポヴィッチ監督が電撃解任された。リーグ戦では32試合15勝8分け9敗で4位につけるが、ルヴァン杯(プレーオフラウンド)、天皇杯(8強)はすでに敗退。クラブは「今シーズンのマネジメントとパフォーマンスを総合的に判断した結果」と説明し、指揮官は「最後までやり切れなかったことは非常に残念ですが、クラブの決断を尊重します」とコメントした。

 今季は4~6月に11戦負けなしで一時は2位につけた。FWだった知念のボランチ起用、大卒1年目DF濃野の抜てきなど選手の見極めに定評があったが、外国人選手の補強が低調に終わった夏場以降、主力固定から生じる疲労蓄積で失速した。リードした終盤に追いつかれる、または逆転される試合が増え、したたかに勝利をつかむ「鹿島らしさ」は見られず、クラブの決断は早かった。

 20年のザーゴ監督就任後、5年で5度目の監督交代。うち3度がシーズン途中だ。リーグ戦で4位につけるが、J最多20冠の鹿島は、優勝争いに加わることが去就判断の軸。結果を求める姿勢で多くのタイトルを手にした一方、近年の監督交代の多さにつながっている面もある。代表戦によるリーグ中断を挟み、次戦はホーム福岡戦(19日・カシマ)。昨季まで7季連続国内無冠の鹿島が、新監督で息を吹き返せるか。