阪神岡田彰布監督(66)の今季限りでの退任が近日中にも発表されることが5日、分かった。後任の最有力候補でOBの藤川球児氏(44=球団本部付スペシャルアシスタント、SA)は、すでに次期監督の打診を内諾しているとみられる。「球児監督」誕生への動…

阪神岡田彰布監督(66)の今季限りでの退任が近日中にも発表されることが5日、分かった。

後任の最有力候補でOBの藤川球児氏(44=球団本部付スペシャルアシスタント、SA)は、すでに次期監督の打診を内諾しているとみられる。「球児監督」誕生への動きが加速しそうだ。藤川氏にとって岡田監督は自身のリリーフ適性を見いだしてくれた恩師。2度のリーグ優勝と日本一に輝いた「岡田イズム」を受け継ぎ、最強の虎をつくる。

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「球児監督」誕生への動きが加速しそうだ。猛虎を2年率いた岡田監督の今季限りでの退任が、近日中にも発表される見込みとなった。後任の最有力候補として挙げられていた藤川氏は、すでに次期監督の打診を内諾しているとみられる。酸いも甘いも経験してきた指揮官から、猛虎で一時代を築いた火の玉ストッパーにバトンが渡される。

藤川氏にとって岡田監督は「恩師」。98年ドラフト1位で入団したが先発では結果が出ず、戦力外通告の瀬戸際だったところから、短いイニングなら十分に通用すると適性を見いだされた。相手のラッキーセブンを封じる役目を任され、ウィリアムス、久保田とともに不動のリリーフ「JFK」として活躍。一気に才能を爆発させ、05年の岡田監督初優勝に貢献した。

前回、岡田監督の退任が決まっていた08年のCS中日戦では、藤川がT・ウッズに決勝弾を浴びて終戦。涙でわびた背番号22に指揮官も「最後、お前でよかった」と涙するなど、最後まで固い絆で結ばれていた。

藤川氏はメジャーにも挑戦して、日米通算245セーブを挙げ、20年に引退後は球団フロント入りしてSAに就任。岡田監督が2度目の指揮官に就いた直後の22年の秋季キャンプでは「80番の岡田監督。やっぱり戦う人やなって感じがする。来年が楽しみ」と復帰を喜んでいた。新外国人の調査などを任され、キャンプも視察するなどチームに関わってきた。コーチ経験こそないものの、豊富な経験は監督としての歩みに生かされることになりそうだ。

チームは3-1で勝利した3日DeNA戦(横浜)が、リーグ最終戦だった。同日、岡田監督の今季限りでの退任が判明したが、指揮官はこれまで、自身の去就について口を開いてこなかった。ナインや関係者にも驚きや動揺の声はあり、CSを前に退任が正式発表される見込みとなった。

岡田監督は15年ぶりに阪神に復帰した昨季、18年ぶり6度目のリーグ優勝に導き、38年ぶりの日本一にも輝いた。552勝は阪神歴代監督最多。今季は球団初のリーグ連覇こそ成し遂げられなかったが、最後まで巨人を追い詰める強さを見せ、下克上での2年連続日本一を目指している。2年契約の間に残した功績は、誰もが知るところ。チームを大きく育てて勇退し、火の玉指揮官に託す。