「広島3-1ヤクルト」(5日、マツダスタジアム) 今季限りでの現役引退を発表していた広島・野村祐輔投手(35)が引退試合に臨んだ。先発して1回1安打無失点で自身が持つデビューからの連続先発登板の日本記録を211試合に伸ばし、マウンドに別れ…

 「広島3-1ヤクルト」(5日、マツダスタジアム)

 今季限りでの現役引退を発表していた広島・野村祐輔投手(35)が引退試合に臨んだ。先発して1回1安打無失点で自身が持つデビューからの連続先発登板の日本記録を211試合に伸ばし、マウンドに別れを告げた。さまざまな思いを背負いながら駆け抜けた13年間のプロ野球生活。万雷の拍手を受けながら、背番号19が有終の美を飾った。

 特別な一戦に広陵関係者も多くつめかけた。同校野球部・中井哲之監督(62)はバックネット裏の“特等席”で右腕の投球を見届け、「引退するような気持ちにはなれないですよね。さみしいし、ホッとする。こんな盛大に引退試合を開いてくれて幸せな男だなとつくづく思うし、それだけ頑張ってきたからね」と感慨に浸った。

 野村からは引退決断前から相談を受けていたという中井監督。自宅で食事をしながら進退を話し合った。「どこも痛くないと言っていたからね」と寂しさをにじませつつも「最後は本人の決断。こんなことまで用意してもらってすごいと思う。良い時も悪い時も人間性が全くブレない。野球を伝えていくことができる人ではないのかなと思う」と今後にも期待した。

 右腕と高校時代の同級生でエースとマネージャーの関係だった同校野球部コーチの高西恵司さんも来場。「自分たちの大エースで、夢であり希望だった。あいつのおかげでプロ野球を見ることが楽しかった。さみしいけど感謝しかない」と涙をにじませた。