巨人菅野智之投手(34)が5日、今オフに海外FA権を行使して米大リーグ移籍を目指すと表明した。4日の米スポーツ専門局ESPN(電子版)のメジャー挑戦報道から一夜明け、16日から始まるCSファイナルを控えるチームへの影響を考慮。頂点への戦いに…

巨人菅野智之投手(34)が5日、今オフに海外FA権を行使して米大リーグ移籍を目指すと表明した。4日の米スポーツ専門局ESPN(電子版)のメジャー挑戦報道から一夜明け、16日から始まるCSファイナルを控えるチームへの影響を考慮。頂点への戦いに集中するため、早急に自らの口で意思を明確にした。ポスティングシステムでのメジャー移籍を目指した20年オフは契約合意せず、4年ぶりの再挑戦。自身初の日本一を置き土産とし、夢のステージに向かう。

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菅野がメジャー挑戦を決断した。東京ドームでの1軍全体練習を終えると、報道陣の前に立った。「球団には自分の意向を伝えさせてもらった。僕自身もやっぱり向こうでプレーするっていう気持ちでいる。ジャイアンツでプレーすることももちろん素晴らしいことですが、やっぱり2020年に行けなかったのが、ずっと僕の中であったので、そういう決断をしました」と胸中を語った。今季は15勝3敗、防御率1・67をマーク。20年オフはポスティングシステムでのメジャー移籍を目指したが、契約合意に至らなかった。

もともとはシーズン終了まで胸の内に留めるつもりだった。4日に米スポーツ専門局ESPN(電子版)が米大リーグ移籍を目指す意向と報道。CSファイナル前にした不本意なタイミングで世間の関心を集めた。「チームにとっても大事な時期に申し訳ないとの気持ちがある。シーズンが終わったタイミングでもう1回、自分の口から話させてもらう。今日、自分の気持ちを話すので、それ以降は、この件は聞かないでもらいたい」。チームへの影響を鑑み、話題は1日限りにするように求め、早急かつ明確に意思を示した。

吉村編成本部長は「すべてが終わった時点できちんと話し合おうということ。終わってからの話し合いになります」とした。その上で「彼の意志は尊重してあげたい。今までのチームの貢献度、今年の優勝に対する彼の力はすごく認めている。彼の意志を話し合った中で尊重してあげたいというような気持ち」と続けた。海外FA権での大リーグ移籍が実現すれば、球団では02年松井秀喜、08年上原浩治、09年高橋尚成に続き、4人目となる。

今は日本一だけを見据える。入団から4度のリーグ制覇を経験するも、日本一はない。「今はもうチームが日本一になることしか僕は考えてない。次のクライマックスでしっかりチーム勝ち上がれるように。もうそこだけ」と決意を込めた。日本一への渇望が今の菅野をつき動かす。その先に夢の舞台がある。【上田悠太】

◆菅野智之(すがの・ともゆき)1989年(平元)10月11日生まれ、神奈川県出身。母親が原辰徳前監督の実妹。東海大相模-東海大。11年ドラフト1位で日本ハムと巨人から入札されたが、交渉権を得た日本ハムへの入団を拒否。1年の浪人生活を経て、12年ドラフト1位で巨人入団の単独指名を受け、入団を果たした。MVP、沢村賞各2度。186センチ、95キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸4億円。