◆プロバスケットボール ▽りそなB1リーグ 第1節 千葉J91―84宇都宮(5日、千葉・ららアリーナ東京ベイ) 9季目のリーグで、4季ぶり制覇を目指す千葉Jは、新設の「ららアリーナ東京ベイ」(千葉・船橋市)で宇都宮との今季開幕戦に臨み、新加…

◆プロバスケットボール ▽りそなB1リーグ 第1節 千葉J91―84宇都宮(5日、千葉・ららアリーナ東京ベイ)

 9季目のリーグで、4季ぶり制覇を目指す千葉Jは、新設の「ららアリーナ東京ベイ」(千葉・船橋市)で宇都宮との今季開幕戦に臨み、新加入した日本人2人目のNBAプレーヤー・渡辺雄太(29)が“B1デビュー戦”を飾った。先発し39分3秒をプレー。チーム2位の16得点、8リバウンド、1アシストを記録し、得意の守備でも活躍した。チームはチケット完売の9708人の観客が詰めかけた新本拠で延長の末、91―84で競り勝った。

 シーズンの開幕とともに、渡辺の第二章が幕を開けた。「Bリーグデビュー戦は今日しかない。一分一秒をしっかりかみしめながらプレーしたいと思っていた」。一瞬、一瞬、心から試合を楽しんだ。一対一での打開力、高いシュート精度と世界最高峰で培った技術を見せつけ、超満員の会場を何度も沸かせた。延長戦の末に勝利し「ハイレベルな試合。ヒリヒリした。無事勝てて良かった」と喜んだ。

 昨季最高勝率をマークしたライバル・宇都宮とバスケ人生に刻まれる大事な一戦を迎えた。序盤に3点シュートをいきなり決めると、今度はファウルを受けながらも力強くシュートを放ち“3点プレー”。雄たけびを上げた。同じ日本代表・比江島慎(34)との対決は「不思議な感覚だった」というが、ミスを誘う好守備も。残り3秒で同点とされ迎えた延長戦でも、3点を入れて要所で活躍が光った。

 超人気となった開幕戦は、ファンクラブ加入者のみでチケットが完売した。渡辺が渡米した高校生の頃は、空席の方が目立っていた時代。「これだけのお客さんが入ることは想像できていなかった」と日本バスケ界の成長も肌で感じる一日となった。

 試合前には、最初の日本人NBA選手・田臥勇太(44)=宇都宮=へと真っ先に駆け寄りあいさつ。渡辺の米挑戦を後押ししてくれた先輩でもあり「ずっと引っ張ってきてくれた選手。こういう場でプレーできたのは光栄」と感謝した。

 NBAでは、6季にわたり213戦に出場したが、39分も出た試合はなかった。「単純にバスケがしたい」と挑戦に終止符を打ち、Bリーグ入りを決断した渡辺。待ちわびた開幕に「楽しむこともできたので満足。終わったばっかりだが、もう試合が楽しみでしょうがない」。2020~21年以来の王座奪還、そして自身初のタイトルへ、最高のスタートを切った。(小林 玲花)

 ◆渡辺 雄太(わたなべ・ゆうた)1994年10月13日、香川県出身。29歳。小1からバスケを始め、米ジョージ・ワシントン大卒業後の2018年7月、グリズリーズとツーウェー契約し、同年10月に日本人2人目のNBAデビュー。20年ラプターズとツーウェー契約、21年4月に本契約。22~23年はネッツ、23~24年はサンズ、途中でグリズリーズに移籍。五輪は21年東京、24年パリ大会出場。W杯は19、23年に出場。22年に元フジテレビの久慈暁子アナウンサーと結婚。206センチ。