「広島3-1ヤクルト」(5日、マツダスタジアム) 真剣勝負だった。初回。ヤクルト・長岡が対峙(たいじ)したのは、引退試合に臨む広島・野村だった。しぶとく中前にはじき返し、今季163安打目。「本当に僕だけの力じゃないですし、僕に関わってくれ…

 「広島3-1ヤクルト」(5日、マツダスタジアム)

 真剣勝負だった。初回。ヤクルト・長岡が対峙(たいじ)したのは、引退試合に臨む広島・野村だった。しぶとく中前にはじき返し、今季163安打目。「本当に僕だけの力じゃないですし、僕に関わってくれた方々全てに感謝したい」。自身初めてとなる最多安打のタイトルをほぼ、手中に収めた。

 新井監督から、高津監督を経由して「勝負していいよ」の言葉をもらった。敬意を込めて、ラストマウンドの野村と真剣勝負。タイトル争いをしていた秋山が2打数無安打で交代したことによって、栄誉が見えてきた。

 全試合に先発出場を果たした飛躍の一年。それでもチームはこの日最下位に再び沈み、長岡は「出ている選手の責任。来年、また一から頑張りたい」と表情を引き締めた。自信になった163安打を打ち立て、激動の24年を走り抜けた。