プロバスケットボール男子B1リーグの2024~25年シーズンは3日に開幕する。昨季東地区6位で終えた仙台89ERSは5日に横浜BCとカメイアリーナ仙台で初戦を迎える。今季は選手12人中7人が新加入。福島市出身で京都から移籍したSF半沢凌太…

 プロバスケットボール男子B1リーグの2024~25年シーズンは3日に開幕する。昨季東地区6位で終えた仙台89ERSは5日に横浜BCとカメイアリーナ仙台で初戦を迎える。今季は選手12人中7人が新加入。福島市出身で京都から移籍したSF半沢凌太(24)は地元・東北の地での躍進を誓う。

 21年のB2福島以来、3年ぶりに東北のチームでプレーすることになった半沢。今回の移籍に「東北には思い入れがあります。クラブも福島市出身の自分も東日本大震災を経験した。バスケで東北に何かできたらいいなという思いが心の中にある」と明かす。

 昨季は10試合の先発を含む51試合に出場も、平均12分27秒、2・7点に終わった。192センチ、95キロと恵まれた体格で、身体能力の高さと献身的な守備が持ち味。攻守の切り替えの速さと強度の高さを武器に戦う仙台のスタイルに「チームのやりたいことが自分のやりたいことと合っていた」とプレータイムを求めてきた。

 「技術よりも目の前の相手に負けない気持ち」と食らいつく守備に加え、仙台では攻撃参加にも期待がかかる。落合嘉郎ヘッドコーチは「彼の守備はベースにあるもので、期待していることは攻撃での状況判断とフィニッシュ」と語り、半沢も「確実にシュートを狙う気持ちは増えました」。得意のドライブでのインサイド攻撃だけでなく、PFネイサン・ブースやSFスタントン・キッドら多彩なシュートを打てる選手に対してのキックアウトなど「自分がバランスを取って、シュートをつくるためにどういう動きをすればいいか考えている」と試行錯誤中だ。

 「勝つことが一番のファンサービスだと思います。いい試合だったね、では意味がない。ここに結果を出すために来た」ときっぱり言い切った半沢。192センチの身長はまだ、じわりと伸び続けている。「一生成長期です」と笑顔を見せる24歳が、仙台でブレイクを狙う。

(秋元 萌佳)

 ◆半沢 凌太(はんざわ・りょうた)2000年1月10日、福島市生まれ。24歳。小学3年時から兄の影響でバスケを始める。福島南高在学中の18年、B2福島ファイヤーボンズに特別指定選手として加入。筑波大1年時にはU―18日本代表に選出され、3年次の21年に再び福島の特別指定選手としてプレー。21―23年に三遠、23―24年の京都を経て仙台入り。192センチ、95キロ。