<DeNA1-0巨人>◇25日◇横浜試合開始の8時間前だった。巨人浅野翔吾外野手(19)は川崎市・ジャイアンツ球場にいた。矢野打撃コーチが見守る中で、室内練習場でマシン打撃で汗を流した。ボールを引きつけ、バットを内側から出す意識でスイングを…

<DeNA1-0巨人>◇25日◇横浜

試合開始の8時間前だった。巨人浅野翔吾外野手(19)は川崎市・ジャイアンツ球場にいた。矢野打撃コーチが見守る中で、室内練習場でマシン打撃で汗を流した。ボールを引きつけ、バットを内側から出す意識でスイングを繰り返した。「今はいろんな打順で打っている。内野ゴロ、進塁打と場面に応じたバッティングの練習でした」と狙いを明確に持っていた。

「2番右翼」でのスタメンだった。1回無死1塁、チーム打撃に徹した。カウント1-2と追い込まれてからの4球目、一塁走者の丸はスタートを切っていた。浅野はDeNAジャクソンの152キロをギリギリまで引きつけた。打球は高いバウンドの一塁ゴロ。狙い通りの進塁打。1死二塁の好機を演出した。先制点にはつながらなかったが、つなぎの役目を果たした。

試合前から雨が降り注いでいた。バックスクリーン上の旗は強くなびいていた。上空は方向の安定しない風が強く吹いていた。

右翼守備では苦い表情を浮かべた。2回先頭、オースティンのフェンス際の右飛を追った。落下点に入ったかと思われたが、白球は想定よりも伸びてこなかった。目測を誤り、水を含んだ人工芝に足を取られた。ずっこけて打球を後逸した。記録は三塁打。その後、無死満塁を戸郷が粘り、失点にはつながらなかったが、記録に残らないミスとなった。9月21日広島戦では適時失策を犯し、敗戦後は涙が止まらなかった19歳。ベンチに戻る前に戸郷に頭を下げた。

残り6試合、マジック4で迎えた一戦だった。「本当に優勝が目の前にある。何とかマジックを減らして勝てるように。試合に出るのだったら、責任感を持ってやらないと」と浅野。雨にも風にも、そして重圧にも立ち向かいながらグラウンドで戦う。【上田悠太】