競泳で東京、パリと2大会連続で五輪に出場し、地元開催の国民スポーツ大会で佐賀県代表チームを引っ張った日本大学3年の柳本幸之介選手(20)が、出身校の伊万里市立黒川(くろがわ)小学校(児童数102人)を訪問。あきらめないことの大切さなどを後…

 競泳で東京、パリと2大会連続で五輪に出場し、地元開催の国民スポーツ大会で佐賀県代表チームを引っ張った日本大学3年の柳本幸之介選手(20)が、出身校の伊万里市立黒川(くろがわ)小学校(児童数102人)を訪問。あきらめないことの大切さなどを後輩たちへ伝えた。

 5歳ごろから水泳に親しんだ柳本選手は、黒川小の時から注目の存在だった。同市立青嶺中3年の時には福井国体(2018年)少年男子Bの100メートル自由形で7位入賞。日大豊山高(東京)に進み、17歳だった3年生の時に東京五輪(21年)の800メートルリレーに日本代表で出場、今夏のパリ大会では同種目で第4泳者として決勝に残り、7位に入った。

 16日まで佐賀市のSAGAアクアで開かれた国スポの競泳では、成年男子の100メートル自由形や200メートルリレーなどに出場。二つのレースの予選で同タイムの8番目となり、同タイム同士で決勝進出をかけて競う「スイムオフ」を2度泳ぐなど奮闘した。体調が万全でなく、成績はリレーの7位が最高だったが、「佐賀に恩返ししたい。少しでも貢献できれば」と6年ぶりに県代表で泳いだ。

 国スポに向け佐賀県には50メートル屋内プールのSAGAアクアなどが整備された。柳本選手は「佐賀の水泳は『強い』と言われていないが、まだまだやれる。素晴らしい環境もでき伸びていける」と期待していた。

 17日に訪問した黒川小では、全校児童らから熱烈な歓迎を受けた。小学生の時から「オリンピックに出る」と口にしていたという柳本選手は、教室で40人ほどの5、6年生に向け、「何事もあきらめないのはもちろん、自分が決めたことにチャレンジすることが大事」などと語りかけた。

 40分ほどの「授業」では、児童から「好きな芸能人は?」など質問攻めにあった。笑顔で応じた柳本選手は「こういう機会はなかなかないので、いい影響を与えられたら。言葉で『あきらめるな』というのは簡単だが、そこに向け頑張ってくれれば、僕もうれしい」と話していた。(森田博志)