「中日1-0広島」(23日、バンテリンドーム) 新井カープの優勝の可能性が完全消滅した。今季ワーストの2安打と打線が沈黙し、6年連続のV逸が決定。今季21度目の完封負けで、無得点試合24度目は1957年以来67年ぶりとなった。優勝を逃した…

 「中日1-0広島」(23日、バンテリンドーム)

 新井カープの優勝の可能性が完全消滅した。今季ワーストの2安打と打線が沈黙し、6年連続のV逸が決定。今季21度目の完封負けで、無得点試合24度目は1957年以来67年ぶりとなった。優勝を逃した新井貴浩監督(47)は「自分の未熟さ」と受け止めた。残り9試合。CS圏内の3位を目指して戦っていく。

 左翼スタンドが盛り上がる場面は、最後まで訪れなかった。1点を追う九回2死一塁。見逃し三振に倒れた秋山が天を仰ぐ。青い人波が揺れる敵地で二塁すら踏めず、攻撃陣が沈黙。今年も悲願成就はならず、9試合を残してこの日を迎えた。新井監督はV消滅に「それはもう、やっぱり自分の未熟さでしょう」と現実と向き合った。

 今季、何度も見た光景が繰り返された。初対戦の松木平を捉えられず、スコアボードに「0」が並んでいく。二回1死で坂倉が左翼にポテンヒットを放つも、後続が寸断された。四回は先頭・矢野が四球で出塁。だが、続く秋山への2球目に二盗失敗となり好機の芽がしぼんだ。

 結局、相手右腕を打ちあぐね、7回まで1安打に封じられた。2軍で対戦した経験のある林、韮沢ら若鯉をスタメン起用したが、ともに快音は響かなかった。「高低、両サイドにね。カットボールと真っすぐをコントロール良く投げられたかなと。得意なチェンジアップも、緩急も効いていたかな」と指揮官は松木平の印象を語り「各自いろいろ反省もあると思う。また修正して、あさっての試合に臨んでもらいたい」と語った。

 巨人が阪神に勝利したため、チームとしては2019年から6年連続でのV逸。9月1日時点で14あった貯金は、ついに1にまで減少した。4日までは首位をキープしていたが、今月は3度の4連敗を含めて4勝16敗。急失速に歯止めが利かず、苦しい戦いが続いた。今月、失速した要因を問われると「それは、まだ9月だから。全部終わってからにしてもらいたい。まだ戦ってる最中で、残り試合もあるし」と話すにとどめた。

 相性の悪かったバンテリンドームでの最終戦を白星で飾りたかったが、これで同球場では3勝9敗1分け。1試合平均1・31得点と攻撃陣の低調さが際立った。9月のビジターゲームは全敗となり、2007年以来17年ぶりに敵地10連敗と悲しい数字が並ぶ。

 試合後、ナインは左翼スタンドに詰めかけたファンにあいさつ。一礼すると、鯉党たちからは拍手が注がれた。3位・DeNAとは0・5差。「自分たちは目の前の一戦に(勝ちに行く)ということです」と、新井監督は一戦必勝の姿勢を改めて強調した。決してうつむくことなく、Aクラス入りに全力を尽くす。