「KOBE CHIBEN17-3高校野球女子選抜」(23日、東京ドーム) マリナーズなどで活躍したイチロー氏(50)=現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター=が率いる草野球チーム「KOBE CHIBEN」が高校女子選抜に逆転勝利した…

 「KOBE CHIBEN17-3高校野球女子選抜」(23日、東京ドーム)

 マリナーズなどで活躍したイチロー氏(50)=現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター=が率いる草野球チーム「KOBE CHIBEN」が高校女子選抜に逆転勝利した。

 試合後は、4年目にして初参戦の松井秀喜氏と爆笑トーク。珍しい夢の共演に場内がわき、大きな拍手が送られた。

 イチロー氏は「初回、女子の攻撃でびびりました」と振り返ると、場内から笑いが起こった。「(被安打)10本だよ。普通にピッチャーやってて10本打たれたことなんてない」とまずは、3得点を許した高校女子選抜の進化を称賛した。

 続けて、「まあ、ぶったまげちゃったよね。でも、最後にこの人が持って行くことが一番ぶったまげた。スーパースターって、こういうこと」と、八回に右翼席へ3ランを放った松井氏に視線を送った。

 松井氏は「いやいやいや…。あなたがスーパースターだから」とイチロー氏にツッコミを入れると、その雰囲気に再びファンも爆笑。イチロー氏が「ビックリしすぎて。こんな日は二度とない。来年も来てほしいから」と、すぐに来年のオファーも出した。

 イチロー氏は「昨日ニューヨークから着いて、今日ゲームですから。本当にこの日のために来てくれた。そんないいやつと知らなかった」と感謝。1学年差で、ヤンキースでは同僚だった時期もあった。大リーグでもしのぎを削った間柄だが「近くにいたけど遠い存在で。縁があまりなくてね。(高校時代は)僕が先に負けてとか」と、関係性に触れた。

 そして、「きょう改めて思ったのは野球続けていると、こういうことが起きるんだと。ね?この再会は、このゲームがなかったら実現しなかった。もう一度、再会するなら球場が良かった。しかもプレーヤーとして再会。それは声かけて一緒に酒飲むくらいはできるかもしれないけど、そうじゃないんですよね。それがすごく感慨深い」とうなずいた。

 イチロー氏から「ヒデキ・マツイ。本当によく来てくれた」と感謝されると、松井氏は「お呼びいただいたからこそです。イチローさんは真剣。遊びじゃいけない。久しぶりに野球に真剣に向き合いました。これ以上ない幸せ。本当にありがとうございます」と、頭を下げた。

 「1番・投手」で出場したイチロー氏は初回に3点を失いながら最速137キロ、141球で完投勝利。打っては4安打と存在感を見せつけた。

 初参戦した松井氏は脚を痛めるアクシデントに見舞われながらも出場を続け、四回には初安打となる右前打を記録。八回には右翼席へ3ランを放ち、驚異のパワーを見せつけた。

 右翼席へ運ぶ文句なしの一発にイチロー氏もガッツポーズ。痛めた足を指し、代走を要求する松井氏にイチロー氏は笑顔で「走れ!走れ!」と指示を送った。

 松井氏は「代走出してと言ったんですが、ダメと言われて(笑)」と足を引きずりながらダイヤモンドを一周。ベンチへ戻ると、イチロー氏と抱き合って喜んだ。