<東京6大学野球:法大4-2立大>◇23日◇第2週第3日法政大・大島公一監督(57)には前日、大胆な着想が浮かんでいた。「1番投手、篠木」結局は「7番投手」で今秋ドラフト候補右腕の篠木健太郎投手(4年=木更津総合)を起用した。「さすがに1番…

<東京6大学野球:法大4-2立大>◇23日◇第2週第3日

法政大・大島公一監督(57)には前日、大胆な着想が浮かんでいた。

「1番投手、篠木」

結局は「7番投手」で今秋ドラフト候補右腕の篠木健太郎投手(4年=木更津総合)を起用した。「さすがに1番というわけにもいかないので。でも、どうにか点が取れるようにと打順を考えて」

その篠木が決めた。「燃えなきゃ男じゃない」と意気込んで、1点を追う8回1死一、二塁。左中間へライナーを放つと、二塁を迷わず駆け抜ける。最後は三塁へヘッドスライディング。2度ほえると、直後にスクイズでホームインし、また2度。最後はベンチに入りながらまたほえた。

高校時代も公式戦でヘッドスライディングは1度きりで、大学では初めて。こつは「ユニホームが汚れるのを嫌がらないこと、ですかね」と笑う。とはいえ汚れたままでは汗をふきづらい。着替えて、もう1度ギアを上げて、ラスト2イニングで4つの三振を奪っての完投勝利で、立大戦を1勝1敗1分けの4回戦へと持ち込んだ。

現役時代、オリックスではイチローと1、2番を組み、何本も三塁打を放ってきた大島監督も「(一塁)ランナーより先に三塁着いたかと思った」と驚いた。打ってから三塁到達までのタイムは日刊スポーツ計測で11・3秒。プロでも上位に入るとされる数値だった。【金子真仁】