<阪神1-0巨人>◇22日◇甲子園ついに1差! 2位阪神が首位巨人との天王山2連戦初戦で1-0完封勝利を飾った。先発の才木浩人投手(25)が6回無死満塁など再三再四のピンチをしのぎ、7回無失点でチーム最多の13勝目。リーグトップ巨人菅野の1…

<阪神1-0巨人>◇22日◇甲子園

ついに1差! 2位阪神が首位巨人との天王山2連戦初戦で1-0完封勝利を飾った。先発の才木浩人投手(25)が6回無死満塁など再三再四のピンチをしのぎ、7回無失点でチーム最多の13勝目。リーグトップ巨人菅野の14勝に迫り、最優秀勝率争いの資格を手にした。首位との1ゲーム差以内は8月2日以来。23日の2戦目もモノにすればゲーム差なしとなり、最短で25日に自力優勝の可能性が復活する。本拠地甲子園の力も借りて、今季最後の「伝統の一戦」も必勝あるのみだ。

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絶体絶命のピンチ。才木は前を向いた。「1個ずつ行くしかない」。2連続四球で迎えた1点リードの6回無死満塁。この日2安打の長野を迎えた。甲子園全体がざわつく中、初球に投げ込んだのは前打席で痛打されていた直球だ。内角でバットをへし折り、投飛を自らつかみ捕った。

「勝負に行くところでしっかりインコースに行けたというのが、今日はすごく大きかった」

続く坂本も直球で二飛。最後は首を振って150キロ直球を投げ込み、代打大城卓を中飛に仕留めた。4球連続の直球で無失点。息の詰まる空気が一気にはじけ、しばらく大歓声がやまなかった。

7回を7安打無失点。初回から無死二塁を招くなど4イニングで得点圏に走者を置いたが、要所で踏ん張った。チームトップの今季13勝目を挙げ、最優秀勝率争いの資格もゲット。リーグトップ14勝を挙げる巨人菅野に投げ勝ち、1勝差に迫る値千金星となった。

より良くなろうとする貪欲な姿勢が要所で生きる。今季は3度の完封勝利やノーヒットノーラン目前の投球など、数々の快投を重ねてきた。登板翌日は投球を見返すのが日課だが、決して余韻には浸らない。

「過去の栄光に浸ったところで今良くなるわけじゃない。何がダメになって何を良くしないといけないのか理解しないと、絶対良くならないから」

常に次を見据える姿勢は試合の中でも同じ。切り替えてピンチを封じ込めた。岡田監督も「やっぱり最後は力でね、ねじ伏せたというか。ほんと辛抱して辛抱してね。本当よく投げましたね」と絶賛しきり。「力勝負で勝ったみたいな感じやね」とたたえた。

首位巨人との直接対決初戦で大きな勝利。8月2日以来の1ゲーム差に迫った。23日に2連勝を決めれば、最短で25日に自力優勝の可能性が復活。才木はお立ち台で23日先発の高橋にバトンを託した。

「明日は高橋遥人さんなので。いいピッチングしてくれると思うので期待しといてください!」

逆転アレンパへ、まずは第1関門を突破した。【波部俊之介】